ハゲをハゲと罵っても構わないというロジック。

公開日: : 最終更新日:2020/03/22 日常, 生き方と考え方

yanagin28

次は、高輪ゲートウェイ。高輪ゲートウェイでございます。

アナウンスで新駅が開業していたことに気づく。3月からだ認識はしていたが、実際こうして通過するまではすっかりその存在を失念していた。ニュースを確認すれば界隈ではそれなりの盛り上がりを見せているようだが、49年ぶりとなる山手線新駅開業は、この騒動で随分ひっそりとしたものになってしまったなあと思う。

騒動とは関係なく、私はラッシュ時間を避けて電車に乗る癖があるので、朝の混雑時特有の殺伐とした空気とは縁遠い生活をしている。それでもたまに事件は起こる。今朝も恰幅のいいにいちゃんが、ホームで後ろに並んでいたひょろひょろの中年サラリーマンに背中を押されたとかなんとか騒ぎ出して

「いてーんだよこのヤロー、やめろよ!」

と派手に叫び、興奮冷めやらぬ状態のまま、私の隣席にどっかと腰をおろした。言われっぱなしのサラリーマンは、やんちゃ系にいちゃんと目を合わせないよううつむきながらも、真正面の席を陣取る。

「いい加減にしろよこのハゲ、ハーゲ!!!」

さっきまで後方にいた人物の全容が今明らかになったところで、にいちゃんは身体的特徴を揶揄するという情け容赦ない攻撃を繰り出す。

面と向かって、こともあろうに、ハゲとか言っちゃダメだろう。

その悩みは、本人にしかわからない。

乗車率20%以下、基本のんびりした空気に満ち溢れている早朝の車内でさえ、こういうトラブルは起こる。通勤時は誰もがどこかイライラしているものなのか。はたまたこのにいちゃんが特別血の気多き男なのか。

にいちゃんの座る左側に得もいわれぬ怒りの気配がメラメラと立ち上がっているのを感じ、決してその「気」に巻き取られたくない私は、こっそり心を退避する。

自分が下車するときにようやく気づいたのだけど、数駅に渡ってにいちゃんだと思い混んでいたこの男性は、にいちゃんじゃなかった。ハゲと同年代の立派なおっさんであった。

ガテン系ファッションとその体格のよさ、加えて幼さを感じさせる罵倒行為から、顔も見ずに勝手にやんちゃな若いにいちゃんと認識していたが、どう転んでも50代半ばくらいの中年で、なんなら同じく薄めであった。自分もハゲだからハゲにハゲと言っても構わない、そんなオリジナリティ溢れるロジックだったのだろうか。

その後、久しぶりにドトールでAモーニング。

すごい空間支配力。

Tポイントカードが使えなくなってから、現金払いが億劫で足が遠のいていたドトールだが、数ヶ月ぶりに来てみると、クレジットカード払いができるようになっていた。

最近はpay系で払えたらありがたい、なくてもクレジットカードは使わせて、というような気分になっており、我ながら変わり身が早いなと思う。現金出すのがめんどくさいなんて、ほんの数年前までは考えたことすらなかったのに、便利さに身を任せ、まんまと時代にアジャストしている。スイカとクレジットカード、近隣スーパーのポイントカードを入れたパスケースで日常的な消費活動を賄えるようになった今、ただでさえ怠惰な私の脳は、財布を出す作業さえ無駄な作業と認識しはじめているのか。

いつもこの店の窓際の席でスマホをいじっていたロングヘアのキレイな女性の姿が、今朝は見当たらなかった。今日はたまたまなのか、仕事を辞めたのか、あるいはこのご時勢、リモート勤務になったのかもしれない。朝一ソファ席でMacBookを広げてカタカタやっているおばさん(私)も、そのうちいなくなる予定。

 




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