韓国・釜山一人旅で食べたもの、その2。食堂大好きパンチャンハンター。

公開日: : 最終更新日:2025/02/11 旅人への道

釜山旅行の食記録、まだまだ続きます。

韓国・釜山一人旅の食事 その1。 釜山名物をたしなむ。

大人数で食事を楽しむ文化が今なお根強い韓国。

一人旅で食を楽しむならば、そりゃもう、食堂一択!ずらりと並べられたパンチャン(おかず)をアテに酒を飲む。まさに至福の時間であります。

「クンチプ」一人韓定食体験とドンドン酒。

韓国の定食はパンチャンと呼ばれる小皿のおかずがサービスでついてくるのが大きな特徴。メインの料理を待つ間にビールを飲みながらおかずをつまむのが大好きなのですよ。

その「おかずたくさん」を目一杯体験しようと足を踏み入れたのが、韓定食のお店「クンチプ」。

一口に韓定食といっても、豪華な宮廷料理や伝統料理、そして田舎料理まで様々な種類があるらしく、店でいただく場合のおかずの内容やお値段もかなり幅広く設定されているようです。このお店は「気軽に韓定食体験ができる」といったジャンルになるのでしょうか。

渡り蟹の醤油漬け「カンジャンケジャン」や、あわびの蒸し煮など、メインに豪華な海鮮料理がつく定食もありましたが、私はオーソドックスな定食をオーダー。お値段は14,000w(約1,600円)。お供にはお店イチオシのマッコリ「ドンドン酒」を選択しました。

「妙な味をぜひお試しください」

こう、絶妙とか、そういう意味合いでしょうね。思いは伝わる。

さらには「マッコリ栄養剤に違いない」との記載が。酒飲みにはありがたい言い切りです。違いない!

メニューでどうしても解読できなかった記載が「ゾゾックハンチァンウンオルマドンジダシさせていただきます」なる表現。どういう意味なんですかね。

韓国は日本語メニューが用意されているレストランが多いですが、こういうメニューを読むと、ああ異国にいるんだなあと実感できて楽しいひとときであります。

さてさて、料理の方はと言いますと

釜山 クンチプ

はい、どどーん。

釜山 韓定食

真上からもどどーん。内容は

  1. ごまドレッシングのサラダ
  2. 白菜キムチ
  3. カクテキ
  4. きのこの和えもの
  5. 茎わかめ和えもの
  6. にんにくの目とするめのあえもの
  7. 青菜ナムル
  8. チャプチェ
  9. チヂミ
  10. ヤンニョムセウ
  11. プルコギ
  12. 赤魚のあんかけ
  13. ワカメスープ
  14. 雑穀ご飯

以上、圧巻の14品。野菜の和えものなどは小皿に少量づつだけれど、その他のおかずは結構な盛りの良さ。もはや暴力的ともいえるボリュームです。

もっちもちの春雨炒め、チャプチェはこれだけで1人前でもおかしくない分量。

甘辛い味付けのプルコギもなかなかの盛りっぷり。

ピンボケだけど、ドンドン酒はデカンタでいきました。2~3杯くらいって書いてたけど、実際はもっと量があった気がする。ドンドン酒は私の知っているマッコリにはない独特の風味を感じました。知らないけど、知っている、この香り。なんだっけ…?と考えていて、後になってわかりました。糠だ。糠みたいな香ばしさがあるんだ。

多数のおかずに、地域らしさ全開の酒。いろんなつまみをちょこちょこつまみたい酒飲みには夢のような組み合わせですね。

肝心の料理の味については「突出した個性はないけれど、どれもちゃんと美味しいね」という感想です。

ヤンニョムセウ

思いがけずエビの辛味噌漬けヤンニョムセウまでついていてうれしかったけれど、ヤンニョムより醤油漬け(カンジャン)のほうが好みだなあと思ったり。あくまで好みの問題ね。

とはいえ、一度はチャレンジしてみたかった韓定食的食事を体験できて大満足。お会計は全部で19,000W(約2,200円)。この内容と量から考えたら、かなりお得ではないでしょうか。

  • クンチプ(큰집)

韓国風の刺身が食べたい「中央食堂」

以前から韓国式の刺身「フェ」に興味津々でした。

だって、コチュジャンをつけたり、サンチュで巻いたりして食べるらしいじゃないですか。なにそれ異文化すぎる、面白い!

が、フェは大体2~3人前で提供される料理のようで、さすがに一人では無理だなあと諦めておりました。刺身って、そんなに大量に食べる料理じゃないもんね。

しかし、定食なら難なく挑戦できるじゃないか!定食最高、食堂バンザイ!

というわけで、刺身定食のある食堂を探してたどり着いたのが「中央食堂」。釜山タワーの近くにある路地裏の小さな食堂です。

場所柄、外国人観光客も多そうだし、英語メニューもあるのかしら、と思いきや。

中央食堂

読めません。

お店のおねえさんも1ミリも英語が通じないこの感じ、ソウルのあの店を思い出しました。

ご近所感覚の酒場を求めて。韓国ソウル一人旅で食べたもの・その2

しかし私は知っていた。「サシミ」は韓国でも通じる料理名だということを!

とにかくサシミサシミと呪文のように唱える私に対して、高い位置にある店内のメニュー表の刺身定食が記されている箇所を、わざわざ椅子に乗ってまで指差して価格確認してくれたお店のおねえさん、本当にありがとうございました。

入店したのは開店すぐの朝9時ごろ、店内は貸切。こちらのご機嫌具合が伝わったのか、TERRAの瓶がぷっくりとした泡を作っております。

おかず到着。白菜キムチ、カクテキ、なすのナムル、青菜の和えもの、イカの辛い和えもの、ウリのナムル。手前の小皿3つは刺身用でコチュジャン酢、味噌にごま油を合わせたもの、わさび醤油。

おかず6種類かあ、いいですね。量が少量ずつなのも一人客にはありがたい。お、この青菜の和えもの、ほんのり山椒?の香りがして変わりダネだな。などとちびちびやっていたら

追加で焼き魚、ニラチヂミ、魚のアラスープが到着。まだメインが到着していないのにこの豪華さ。どうかしてる。

いよいよメインの刺身が到着!

白身3種の刺身が4切れずつ。結構なボリュームありますね。

完全に宴状態!朝っぱらからすみませんね。

さて、念願の韓国風刺身のお味は

わさび醤油がいちばん旨い!という、あまりにも日本人らしい結果となりました。いや、どのタレも美味しいんだけど、やっぱりしっくりくるのがわさびかな、と。

韓国ではより新鮮な状態の刺身が好まれるそうなのですが、ここの刺身はおそらく熟成系ではなかろうか。自信はないけど、フェ専門店とは違って生け簀みたいなものもないしね。

大いにたのしめる全10品の刺身定食。文化的に全部食べなくていいとわかっていながら

つい完食してしまうのも、これまた日本人的ですね。刺身はもちろん、あっさり塩味のアラスープがとても美味でした。唐辛子やにんにくを使うことが多い韓国料理の中で、このスッキリ感があるのはうれしい。お値段は全部で25,000W(約2,840円)。

  • 中央食堂(중앙식당)

魚市場の食堂でマッコリを タミャン食堂

最終日はチャガルチ市場のすぐそばにある新東亜水産物総合市場地下の食堂へ。

市場内の食堂。めちゃくちゃそそられますね。

食堂があるのはご覧の通り、市場の地階。明るいうちに窓から差し込む自然光を感じつつ酒を飲むのが大好きな私。普段はまず朝酒昼酒に地下の店を選択することはないのだけど、ここは押さえておきたくて突撃です。

地下食堂階の様子はこんな感じ。

薄暗いフロアにオープンキッチンの食堂が並んでいます。

似たような作りの店が並んでいるので、どれが何て名前の店なのかはよくわかりません。でも、看板の電話番号から推測するに私が席についたのは「タミャン食堂」だと思われます。

ね。オープンキッチンでしょ?

ここは特にメニュー表記もなく、何も指定しなければ勝手に日替わり定食が提供されるシステム?なのか、次々におかずが運ばれてきました。

くきわかめ、とうふステーキ、白菜キムチ、大根とイカのキムチ、水キムチ、鯖の煮付けというおかず6品に白菜の味噌汁、ごはん、そしてケースごとサーブされる韓国海苔。

タミャン食堂

ううむ、キムチを筆頭に赤いおかず多し。

おとなりの食堂は赤おかずの少ないラインナップだったので、あっちでもよかったかしら、なんて覗き見しつつ考える。あ、おじさん朝6時からソジュいってますね。

私も負けじとマッコリをいただきます。考えてみれば、一人でマッコリボトル頼んだの初めてかも。初ボトルは朝6時の釜山かあ、なかなか景気のいいお話で。

あ、やっぱりここもおかず増えるんですね。あさりとうふとズッキーニ?のチゲと太刀魚の塩焼きが追加されました。味噌汁があるのにチゲまでつくのがとっても不思議。

最後に目玉焼きも追加され、おかず8品、汁物2品、そして韓国海苔とごはんというびっくりド豪華な朝食となりました。ボトルのマッコリも入れて全部で12,000W(約1,560円)ってお得すぎますな。

赤おかずは多いものの味はよく、またまたほぼ完食してしまった私。しかしこれと同じ定食を食べていた隣のおじさんは、ごはんと目玉焼きとチゲを勢いよく掻き込んで、他のおかずには手をつけず席を立ちました。これは韓国の食堂ではよくある風景なのか、たまたまこのおじさんがそういう食べ方なのか、真相はわかりません。

そして反対側のお隣に座っていたおじさんグループが、食堂の脇から私の分の飲み物を注いでわざわざ持ってきてくださいました。「食後にこれを飲んだらいい」みたいなことを言われた気がするのですが、液体の詳細はわからず。さほど味のない白い飲み物だったのだけど、なんだったんだろう。デザート的に飲まれるらしい、シッケ?でも、おじさんたちごま油入れて飲んでたような。

とにかく、ローカル食堂全開の雰囲気も、魚市場食堂ならではの味と品揃えも、朝から自然と飲みたくなる空気も込みで、再訪したくなる食堂でありました。

  • タミャン食堂(담양식당)

我ながら更新が遅すぎる韓国・釜山旅記録。まだまだ続きます。


大人のたのしい一人暮らし




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