親の視点から考える 「気持よくできる 実家の片付け」
先日書店をうろついていて、たまたま高齢者向け雑誌のコーナーに目が止まりました。
やはりこの年代の関心は「健康」にあるようで、まるごと一冊健康の情報、という雑誌も多くあります。
「耳の下をさすると病気が治る!」
「宿便ドカン!じゃがいもの生汁」
などなど、表紙には魅力的(?)な見出しが踊っています。
これって女性誌の
「メイク前の5分で差がつく!小顔マッサージ」
「秋のゆるふわ愛されヘア」
なんていう煽り見出しと基本的には一緒だなあ、なんて思いつつ眺めていると、このジャンルの雑誌には「片付け」に関する情報も多く掲載されていることに気が付きました。
「気もちよくできる 実家の片づけ」というタイトルで実家の断捨離に関する特集を組んでいたのは雑誌「明日の友」11月号。
◆いま、親子ではじめたい5つの理由
・実例1 おたがいを理解する会話と時間が、片づけをスムーズに
・実例2 4年間、親の生き方と向き合い 残したものはここからはじめれば、重荷にならない
「親子の語らい」片づけ 辰巳 渚さんと話し合い
・「会話力」をつける
・「片づけ」のコツ
・ ものとの「縁」を結びなおす
・導入編 暮らしやすく見直すことから
・わが家流で気持ちよく 残す・片づける 読者のアンケートより
・片づけは「75歳を目安に」 藤原佳典
目次から考察するに、対象年齢は60~70代といったところでしょうか。ちょうど我々40代の親世代に当たります。
これまでも実家の断捨離について「子供側から見た」悩みや難しさといったものについて考えたり、書籍を読んだりしましたが、反対に「親側から見た」切り口のものってあまり見る機会がなかったような気がします。
この特集の中で
「もう使っていないけれど死ぬまで大切に持っておきたいモノについて、子供にどう説明すればわかってもらえるか知りたい」
といった質問がなされているページがありました。
子供が
「どう説得すれば手放してくれるのだろう」
と頭を悩ませる一方で
「手放したくないとどうすればうまく伝えられるだろう」
と考える親。
そうですよね。いくら家族とは言え、モノに対してはそれぞれが異なる想いを持っていて当然。どちらが正しい、間違っている、などということではないのです。
モノのない暮らしの快適さを知ってしまったら、親にもすっきりした快適な暮らしをして欲しいと願ってしまうもの。けれど、もうこの先何年生きていられるかわからないのだから、たとえガラクタと言われようとも自分の好きなものに囲まれて最期まで暮らしたい、と考えるのもまた正しい考えでしょう。
親子で話し合い、意見をきちんと交換し合い、お互いに尊重し合いながら進めていく「実家の片付け」作業。
もしかすると、わざわざ温泉旅行に出かけるよりも有意義な親との思い出作りになり得るかもしれないと感じました。
ちなみに私の両親もタダでもらえるものならなんでも貰う、というガラクタ収集タイプ。が、妙にきれい好きで整理整頓が苦手ではないので幸い目を覆うような惨状にはなっていません。ガラクタなりにキチンと整理はしている模様です。
以前は使いもしないノベルティグッズやもらい物の衣服ばかりが目立つ両親の部屋に呆れたこともありますが、今は本人が幸せならば好きにすれば、という感覚です。
ちょっと冷たいようですが、私の場合はそこは「実家」ではなく「両親の家」なので、親といえども独立した別の世帯。親が困っているのなら片付けるのをいくらでも手伝う用意はありますが、特に不自由していないのなら私がとやかく口を出す問題でもないでしょう。
と、やや話が逸れましたが、実家断捨離問題について悩んでいる方はこの問題を親世代の目線から切り取って書かれている雑誌や書籍を読んでみると何かしらのヒントが見つかるかもしれません。
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