荷物を持たない都会のホテル暮らし。
公開日:
:
最終更新日:2018/04/19
ミニマルライフ
引っ越したという知人の話をよくよく聞いてみると、現在はホテルを拠点として生活していると言う。
同じ部屋に長年住んでいたとしても、ホテルの一室は「住まい」とは全く異なる空間。日常でありながら旅の途中のような非日常が続く、なんだか不思議な感覚。
いいなあ、憧れのホテル暮らし。
などとうっかり淀川長治的なそれを思い浮かべてしまう私ですが、本人はそんな優雅なもんじゃないから、と笑うのでした。
都会のホテル暮らしの現状
彼女は仕事の都合で数ヶ月から1年単位で勤務地が変わる生活をもう長く続けています。
これまではその都度引っ越しを繰り返してきたけれど一般賃貸を細かく出入りするのは面倒だしコストもかかる。ならば入居も転居もしやすいシェアハウスはどうだろう。いや、いっそのこと長期滞在できるゲストハウスがいいのでは、といろいろなスタイルを模索した結果、現在の自分にいちばん心地よい方法がホテル住まいだった、とのこと。
ホテル暮らしといっても憧れのラグジュアリーホテルのスイートルームで悠々自適の生活、というものではなく、簡素で機能的、なおかつ経済的なホテルをいくつか抑えておいて、仕事や用途に合わせて使い分けているそうで。
それでも家賃に代わる宿泊費は月20万円程度かかるので、単身者の住居費としてはそこそこのコスト。都内で暮らすにしても定住したほうが幾分安くつくし、住民票の問題などもあるけれど、それでも今はこの生活を続けたいと言います。
その理由は健康問題であったり、自身なりに考える定住のリスクであったり。現在体調にいくつかの問題を抱える知人にとって、思い立ったらすぐに住まいを移動できる生活は一見忙しないようで、非常に安らげるものなのだとか。
へえー、いいなあ、楽しそう。確かに今のあなたならそういう選択もありだよね。という私に対して、そんなの落ち着かないじゃん、絶対嫌!という別の友人。住まいに求めるものは人それぞれ、といったところでしょうか。
ホテル暮らし、荷物はどうする
そして気になる荷物の保管に関しては、トランクルームを利用しているそう。ここ数年移動の多い生活をしていたこともあって、大型の荷物はほとんどなく、毎日必要な身の回りのものは移動時にバックパックに十分詰め込める程度の量だと悟ったのだとか。確かに、こういう生活ならトランクルームが便利でしょう。
関連 トランクルームに全財産預けて引越し。賢いトランクルームの活用法。
他にも何人か中長期でホテル暮らしをしている知人がいますが、彼らはいろんなホテルを転々とするのではなく、ホテルのレジデンス棟に中長期居住しているといったスタイル。
東京にもこういうスタイルの住まいはいくつかありますね。
参考 ホテルに暮らす(ホテル&レジデンス六本木)
移動型ホテル暮らしも、定住型ホテル暮らしも、いずれも自分で空間にがっつり手を入れるようなことはできないので、自分好みの部屋で住まいたい、ゆっくり空間を育てて行きたいと考える人には不向きでしょう。
「いつかは夢のマイホーム」が万人の当たり前ではなくなり、多様な働き方、暮らし方を選択できる今。賃貸住宅を取り巻く環境も変化し、一風変わったスタイルで暮らす世帯がもっと増える、のか。
そんなことを考えつつ昔なされた不動産未来予想などを読んでいるとバックトゥザフューチャー的混乱に陥るのでした。あの頃の未来が今ここにある不思議。
関連記事
-
何を着ても似合わない 持ってる服を全部捨てる?
By: Jorge Franganillo[/caption] 最近何を着ても似合わなくなっ
-
生活感のない部屋を作る方法とその効果。
現在シェアハウスにてせっせと断捨離を進めているのはいつでも移動できる身軽な体制を整えたいから
-
田舎暮らしを検討したけど断念した理由。
根っから都会っ子の私は生まれてこの方都市部にしか住んだことがありません。 生まれも育ち
-
当たり前のことを当たり前と思うべからず。
By: Keng Susumpow[/caption] 自分にとっては普通のこと、なんでもな
-
書店にいる、迷惑な客ですらない客。
大きな荷物をがっさり処分して以降、特にこだわりのないものに関しては電子書籍で読む派になりまし
-
持たない暮らし、毛布のない家。
氷点下氷点下〜。 思わず口ずさんでしまうここ数日。もちろん、島倉千代子風に。明日も氷点
-
好きなものだけの毎日が、出会いのチャンスを逃している。
By: Thomas Beck[/caption] 先日民放ラジオ101局特別プログラムなる
-
シンプルコーディネイトに大活躍のアイテムを手放す。
白シャツやデニム、黒パンツ、ボーダーTなど、誰しもがそれぞれ自分なりの 「定番」
-
引っ越し後、荷物はどれくらい増えたのか。
前回引っ越してから2年が経過しました。 持たない暮らし、引越し作業は20分。 2
-
欲しいものがないわけじゃない、我慢しているわけでもない。
奥さん、7月です。夏ですよ。 毎月捨てたものと買ったものを記録し続けています。