荒木経惟 往生写集-東ノ空・PARADISE、チロ。

公開日: : 最終更新日:2018/08/16 音楽、映画、芸術、世界

araki

銀座の資生堂ギャラリーで開催されている「荒木経惟 往生写集-東ノ空・PARADISE」に行ってきました。

参考 「荒木経惟 往生写集-東ノ空・PARADISE」(資生堂ギャラリー)

araki2

 

「死=往生」から「再生」に向かっていく、荒木の現在の心境を捉えた作品を中心に展示する予定です。「東ノ空」は、東日本大震災後、亡くなった方への鎮魂を願うと同時に、被災地の復活を祈りながら、彼が毎朝自宅の屋上から撮り続けている最新作です。これから新しい時を刻む東ノ空は、静かに生命の力が湧いてくる、まさに再生・復活のシンボルといえるでしょう。一方の「PARADISE」は、一見暗闇の中に色鮮やかな花が咲き誇っているかのようですが、実は、朽ちかけた花と人形を写した生と死の物語です。「花は死の一歩手前が最も官能的」と語る荒木が、移ろいゆく花の姿を人の生命にたとえ、はかなさゆえの愛しさや、かけがえのなさを捉えた作品です。また、本展のためにこの夏撮り下ろした「銀座」もご覧いただけます。

前回荒木経惟氏の写真展を鑑賞したのは2010年。荒木氏の愛猫チロが亡くなった年でした。

 

参考 アラーキー 愛猫チロを語る「愛する者を失うということ」(asahi.com)

 

その時の展示とは違うコンセプトの展示でしたが、それでもやっぱり惹きつけられたのはやっぱり、空の写真。

俺は、すごく愛されたという感じがあるし、向こうもそう感じてくれたと思う。自分の家のバルコニーで空の写真を撮っているときも、いつも足元にいてさあ、二人で撮っている感じだったね。

なぜ一見なんでもない「空」の写真がこうまで印象に残るのか、このインタビューで納得しました。荒木氏にとって、「ベランダから撮る空」は他の被写体とは絶対的に異なるんだ。

愛猫「チロちゃん」の写真は、犬や猫と暮らしたことのある人なら切なくてたまらなくなるのだけど、今回は愛する家族を失い、自国に辛い出来事があり、自身も大病を患い、それでも生きる「その先のそれから」を感じさせる構成でした。

見てよかった。

12/25まで開催されているので、銀座方面に出掛けられた折には是非。

 

チロ愛死
チロ愛死

posted with amazlet at 14.11.11
荒木 経惟
河出書房新社
売り上げランキング: 60,461



関連記事

岡本太郎展

本職?人間だ。

東京都美術館で開催中の岡本太郎展に行ってきました。 岡本作品のほぼすべてを所蔵する川

記事を読む

持たずに借りずに気軽に楽しむ、を試してみる。

By: Roberto Venturini[/caption] 睡眠改善の一環として、しばらく映

記事を読む

yuming

くさったおばさんと、恋のうた。

小さい頃は神様がいたっけかなあ。不思議に夢を叶えてくれたりしたかなあ。 20数年前、当

記事を読む

ボサノバ日和のElis Regina。

昼からワインを楽しむ贅沢な日曜日。 ワインのお供にYoutubeでボサノバを聴き漁っていました

記事を読む

ニラ納豆

食べて飲んで、人体実験。

なんだかんだで観終わった後にセンター街を抜けるのは気分的にしんどかった。 関連 見習う

記事を読む

アンバサダーシアター シカゴ

BIRDLANDの予約方法 ニューヨークのミュージカルにジャズクラブ。

ニューヨークの旅で一番心に残った景色はブルックリン橋からの夕焼けでした。 ダウンタウン

記事を読む

誰もが今日も、ダイエットランドで。

「ダイエットランド」は、どんなストーリーなのか見当がつかない状態で見始めました。 タイ

記事を読む

好きなものだけの毎日が、出会いのチャンスを逃している。

By: Thomas Beck[/caption] 先日民放ラジオ101局特別プログラムなる

記事を読む

時がとまっているおばさん。

最近「ガラスの仮面」を読みはじめました。実は私、昭和の女でありながら、今まで読んだことがな

記事を読む

好きだから、共有したい。

実は劇場版を観てしまいました。 おばさんホイホイは真実だった。 もちろん自発的に

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

韓国・釜山一人旅の食事 その1。 釜山名物をたしなむ。

年をまたいでしまいましたが、韓国・釜山旅行記の続きです。韓国

ミニマリスト主婦の貯金残高。

年末年始はいつものように帰省して、伝家の宝刀寝正月をキメてき

仕事帰りにふらっと富山一人旅。

12月のある夜のこと。いつものように部屋で一人酒を飲んでいて

師走の逆転ホームラン。

手術する必要があると言い渡されビビり散らかしていた私。

生涯独身なんて、選ぶんじゃなかった。

恐ろしく肩が痛いので病院に行ったら、肩関節周辺炎、いわゆる「

→もっと見る

PAGE TOP ↑