セブ島の孤児院訪問で彼らは何を感じたか。セブ島親子留学体験記。
さて、前回の続きです。
参考 成功体験は、作れる。
大人になってから思い返してみると、自分の得意なことや好きなことを意識するようになったきっかけってすごく些細なことだったと思い出した、と書きました。
友達よりちょっと得意なことがある、ってすごく自信になるよね、と思ったのは親子留学アドバイザー庄司里紗さんの5歳の息子さん、Yくんの様子を見たからだったのです。
「得意」があるとたちまち自信がみなぎる
彼は3歳の時にセブに来て、最初は英語で話しかけてくるフィリピン人にドン引き。当然英語を学ぶことに抵抗し大暴れしたらしいですが、今ではすっかり英語をマスターしています。
もちろん、5歳なので5歳なりの英語ではありますが、それでも私たち大人は彼の発音には敵いません。こればっかりはね、どうしようもないですわ。
参考 息子からの謎のメッセージ「エンジョー」を解明せよ!〜 早期英語教育のメリットとデメリット vol.3(目指せ★親子でバイリンガルinセブ島)
で、今回の親子留学プログラムでも同年代の子供の中で一番上手に話せるYくん。先生の英語がわからないお友達に日本語で通訳してあげるなどしてグループクラスを引っ張っていました。
その姿が得意気というか、すごく自信に満ち溢れている。
私の頭脳では5歳の子供が器用に言語を使い分ける感覚がどういうものなのか想像もつかないのですが、英語が話せる、外国人とコミュニケーションが取れることは既に彼の中で立派な得意分野になっているようでした。
Yくんのお父さんは「幼稚園(Yくんはセブでインターナショナルの幼稚園に通っています)でも新しく入ってきた子に通訳してあげてるみたい」とおっしゃってました。
セブに来たときは英語が嫌で嫌で仕方なかった男の子が、今ではすっかり「これが得意なんだ」と自覚している。幼い時から英語に親しみ、既にある程度のレベルにあることはそれ自体がもちろんアドバンテージではあるけれど、これって英語に限ったことではないですよね。どんな小さなことでも「できた」という体験とそれに基く自信が人生に及ぼす影響は大きいと思うのです。
セブ島の孤児院を訪問する
さて、このプログラムにはゴールが設定されていると書きました。
そう、最終日の孤児院訪問でみんなの前で英語で自己紹介をするのです。晴れ舞台に向けてみんな一生懸命練習してきました。
実は孤児院に到着してすぐは、小さな子たちはかなりナーバスになっていました。
大勢の孤児が暮らすこの施設。お世辞にも衛生的とはいえないし、設備も十分ではありません。ここには両親がいない子供たちだけではなく、障害があるがゆえに親に捨てられてしまった子供たちも大勢います。敏感な子供たちのこと、自分たちと同じくらいの年齢なのに明らか違う生活をしている子らを目の当たりにしてショックを受けているようでした。
が、ここで活躍したのが大きなお兄ちゃん。
お年頃ゆえに先生の問いかけにニコリともせずお母さんもはらはらしていたあの子です。
場をあたためるために最初にみんなで椅子取りゲームをしたのですが、ここでお兄ちゃん大活躍!
普段の様子からするとこういうお遊びはちょっと斜に構えて見てる、みたいなことになるかも…と思いきや、孤児院の子供たちと全力で遊んでいるではありませんか。その男っぷりにみんな大興奮!結局お兄ちゃん、椅子取りゲームで優勝してしまいました。
こういう時に適当にやり過ごさずに本気出せる子ってなんかカッコいい。
普段とのギャップにおばさんたち萌え萌えですよ。あれは将来いい男になるね、とか勝手なこといいまくり。きっと彼なりに今自分がすべきことは何かを考えての行動だったのではないでしょうか。カッコいいぞ、12歳!
彼の奮闘もあって小さな子供たちも徐々に場に馴染んでいき、最初は笑顔を見せなかった子もだんだんリラックスしていくのがわかりました。
そして肝心の自己紹介。
もちろん、簡単な英語です。
「My name is Taro. I’m 5 years old. I want to be a scientist!」
とか、その程度の簡単な挨拶です。
でも、みんな大きな声ではっきりと、元気よく自己紹介して、それがちゃんとフィリピンの子供たちにも通じていました。
極々ビギナーの子もいたので、自己紹介文は単なる丸暗記だったかもしれません。
でも、恐ろしいことにあいつらクソいい発音で話すんですよね…人様のご子息に向かってあいつらとか言っちゃいけませんね、クソとかも言っちゃいけません。でも、40過ぎて英語を始めて英会話レッスンで「何いってるかわかんない」と言われて「dramatic」を100回言わされた私はたった1週間で難なく正しい発音を手に入れる子供たちにちょっぴりジェラシー。ていうか、あんなに練習したdramatic、日常会話で殆ど使ってないし。
単なる旅行より、学びのある旅を
私が幼い頃は小さな子供を連れての海外旅行なんて普通の人がカジュアルにできる土壌はまだなかったので3歳児から参加できる現代の親子留学とはどんなものかと興味があったのですが、いやはや、時代は変わりました。
たった1週間とはいえ、海外で、異なる文化の中で現地の人と英語で交流したという経験はきっと小さな(いや、大きな、か)成功体験になるんだろうな、と彼らのちょっと興奮気味の笑顔を見て感じたのです。
そして先日、このプログラムに参加していた5歳の男の子のお母さんから、彼が帰国してからもあの時覚えた自己紹介を色んな人に披露しているというエピソードを聞きました。
か、可愛い!ちゃんと覚えてるんだ!
孤児院で人一倍ナーバスになっていた彼。少々ショックもあったけれど、きっと忘れられない大切な経験になったのでしょう。庄司さんが目指すところの「まずは英語を学ぶことにポジティブな印象を持ってもらう」はどうやらクリアできたようです。
たった1週間の短期留学で子供がバイリンガルに変身するわけではありません。
でも、きちんと学び、たくさん遊び、自分とは違う環境で生きる子供たちと接するなんて単なる海外旅行では成し得ない体験。子供時代だからこそそこから得るものは大きいだろうと感じたのでした。
この「親子えいごプログラム」はこの夏も開催予定とのこと。
参考 親子留学プログラム詳細(フィリピン・セブ島えいご体験プログラム)
後半の日程は既に申込多数とのことなので、気になる方はお早めに。きっと、忘れられない夏休みが過ごせるはずですよ。
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