成功体験は、作れる。
人間が自分の行動や能力に自信を持ったり、これが得意だとか好きだとか感じるようになる背景には何かしらの成功体験があることが少なくありません。
長い人生の中では成功のみを積み上げられるはずもなく、どちらかというと失敗をたくさんしている人のほうが結果として成功したりもするのですが、これも空振り続きでもめげずに打席に立ち続けたからこそヒットが打てたという話。
失敗したこと自体が
「あきらめずにチャレンジし続けられた」
という成功体験に成り得るわけですね。
成功体験は、作れる
「成功体験」とか言うと物凄い偉業を成し遂げることのように思えますが、この場合はちっちゃなこと。子供の頃に親に褒められたとか、友達よりちょっとだけうまくできたとか、そんな記憶が結局大人になっても根強く残っていたりします。
得意かどうかは別として、私は文章を書くのは苦にならないほうです。
これはなんでなんだろうと考えてみると、小学1年生の時に書いた作文が「上手な例」として国語の授業題材に使われたことが発端のように思えます。作文の題材は友達と家でチーズケーキを作った日のこと。チーズケーキ、といっても混ぜて冷しかためるだけのなんちゃってチーズケーキなのですが。それなのに失敗したわけですが。
「上手な例」として取り上げられたのだけど唯一
「牛乳を入れすぎた時の『あっー!』という驚きの声は書き方が間違っていますね、正しくは『あーっ!』ですね」
という訂正が入りました。
30年以上前のことなのに未だにこれほど細かいところまで覚えているということは、まあそれなりに嬉しかったのでしょう。
以後すっかり「自分は作文が得意なんだ」と思い込んだ単純な私は毎年開催される読書感想文大会で常に入賞するようになっていました。いやあ、今考えたら恐ろしいですね。原稿用紙何枚も手書きとかもうできないかも。きっと私は筆圧の弱い子供だったに違いない。だからこそ苦もなく何枚も書けたんだわ。せっかく「得意」を見つけたというのに勤勉ではないものだから、本の最初と最後とあとがきだけ読んで感想文を書くという有様だったのは残念なことこの上ないですが。
文章を書くのが苦にならない、というのは幸運にも社会に出て役に立ちました。「書く」ことって何の仕事をしていても少なからず必要なので。
成功体験は、壊せる
逆に私がずっとスポーツ関係を苦手として生きてきたのもまた幼い頃の出来事によるもので。
同じく小学1年生の時に逆上がりができなくて校庭で練習に励んでいた私を見たとあるおじさん先生が
「ははは、おまえはお尻が重いから逆上がりできんのや」
と笑い飛ばしたのです。ちなみに私は当時肥満体型でした。
今なら黙れハゲ、とでも返せたでしょうが、必死で頑張っているところを見られるのが嫌いな無駄にプライドの高い女児だった私は途端に練習するのが嫌になってしまいました。以降逆上がりも倒立もできないままスポーツ関係とは一定の距離を保ちつつ生きてきたのです。
まあこれは先生が全面的に悪いわけでもなく、そもそもの運動神経に難ありだったことは否めませんが。そして先生がハゲていたかどうかも記憶にありませんが。
と、長々とつまらない思い出話を書き連ねたのは、先日セブ島での親子留学プログラムに参加した時に、あ、成功体験ってこういうことだったのかもね、と思ったから。
小さい時に他の子よりもちょっと得意なことがある、自分が上手にできることがある、という感覚を持つことって生きていく上で自信に繋がるよなあ、なんて子供たちを見ていて感じたのです。で、自分の人生を省みても幼い頃の成功体験ってほんのちょっとしたきっかけで作れるものだし、意外に人生に効いていた、ということを言いたかったのでした。
なのに本題に入る前にとんだ無駄話ですっかり長くなってしまったので、肝心な親子留学の話はまた次回。文章書くのは苦にならないけど無駄話が多いのはいかがなものか。
関係ないけどクールンって今でもあるんだ!
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