儲け話を断れないのは性格だけの問題じゃない。
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生き方と考え方
最近はめっきり無形商材なのですね。
友達から誘われて断れる? 「モノなしマルチ商法」若者からの相談が急増中…“対処法”を聞いた(FNN PRIME)
国民生活センターが7月25日に発表したデータによると、昨年度、全国の消費生活センターに寄せられた「マルチ商法」に関する相談は1万526件で、このうち半数以上の5490件が「モノなしマルチ商法」だった。
疎遠になっていた旧友からSNSを通じて久しぶりに連絡が来て勧誘される。というのがお決まりパターンのようです。
儲け話を断れないのは性格だけの問題じゃない
言われてみれば勧誘と思しきグループの会合は時折見かける。つい先日も大声で挨拶したり握手かわしたり成功やらマインドやらリターンなどのキーワードを多用している謎の男女がカフェにいて、朝7時から熱量高めだなと思ったけど、あれもそういうことなんでしょう。
勧誘なあ。
持ちかけられた「うまい話」を心から信じ、やってみたい!とワクワクして参加した結果失敗するならまだいいとして(よくないけど)、いちばん悲しいのはしぶしぶいやいや受諾してしまうケース。
また、友人・知人から勧誘されると、「今後も仲良くしたい」「断ることで関係を悪くしたくない」といった心情から契約を断りにくい状況に陥り、契約してしまうケースも多くみられます。
関係を維持したいがために謎のビジネスに大枚はたく契約をしてしまうなんてどれだけお人好しなのかと思ってしまうけど、これってただ単に被害者の気が弱いとかやさしすぎるといった性格に起因する問題でもないような気がします。
知人友人巻き込み系の怪しい儲け話は大昔から存在しており、当時は有形、つまり洗剤やら化粧品やら鍋やらを介するそれがメインでした。そう、私だってバイト仲間や職場の先輩に誘われたことがあります。
「私だって」などとやや強がって見せたのは、私みたいに人付き合いが苦手で孤独のお手本みたいな人間でもそういう経験くらいあるんだからね、という謎のアピールですが、あるんです。
アイツと一緒に沈む選択肢
人見知りで口数少なく、こころやさしくおしとやか過ぎるのが弱点の私ですが、勧誘話についてはバッサバッサと断ってきた人生でした。と言ってもそもそも友達が少ないので誘われた経験が多いわけじゃないけど、断れなくてどうしよう、みたいな感覚は、ない。
断ることで関係が悪くなるなんて痛くもかゆくもない、むしろ妙な話を持ってくる面倒な人と付き合いが途切れるならこれ幸いくらいに考えてしまうのは、コミュニケーション能力の乏しさゆえでしょう。あとはシンプルに守銭奴だから。
一方で自称「本音でズバズバ言ってしまうタイプ」の友人が、気乗りしないけどなんとなく誘いを断れない・ハッキリと本音を言えない、つまりは自分らしく接することができないちょっと苦手な知人がいる、と言っていたことを思い出す。
つまり、断れないのって性格とか資質じゃなくて、相手との相性とか、人付き合いの捉え方の違いも大きいのかなあと。
社交下手な人間より、顔が広く付き合い上手な人のほうがいろんな人を引き寄せてしまうだろうから、その分悩みだって増えるのは当然のこと。そう考えれば、どんな状況にあってもやっぱりみんなそれぞれに大変で、それなりにたのしくやっているものなのだなと、また思うのです。
私が一番大変で、こんなに頑張ってるのに、誰もわかってくれない。
もちろん、詐欺まがいの勧誘行為なんてどう間違っても加担すべきではないし、沼に嵌ったアイツを救い出そうと試みるのも友情の形ではある。でも、アイツと一緒に沈む選択はないよねえ。それ、別に友情じゃないですからね、若い人たち。
「モノなしマルチ」の話からなんかまたズレてしまったけれど、カフェで見かけるといえば、日常的に億の金動かしてる(話をしている)爺さんとか、電話でせっせと土地を転がす(話をしている)婆さんあたりの素性も割と気になる。気にはなるけど、積極的に関わるつもりはありません。
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