ダッバーワーラーの手拍子とリズム。
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最終更新日:2021/07/08
音楽、映画、芸術、世界

ここ数年、ドキュメンタリーを含めインド映画をよく観るようになりました。
歌と踊りありきで展開されるTHEボリウッドな感じも悪くはないけれど、誰も歌わず、踊らない作品もあるわけで。
インド映画もどんどん変化していくのだろうな…って、今回観た「THE LUNCH BOX」は、アメリカやフランスも制作に関わっている上に、もう7年も前の作品でした。
ダッバーワーラーの手拍子とリズム。
本作品は元々、ムンバイの弁当配達システム・ダッバーワーラーのドキュメンタリー映画を撮る企画から始まったそうです。
インドの大都会ムンバイでは、ダッバーワーラーと呼ばれる弁当配達人たちがランチタイムに弁当をオフィスに届けて回る。
本作中に「イギリス皇太子が見学に来るぐらい世界から注目されている仕組みなんだ」という台詞があるように、確かに興味をそそるシステムではあります。
「出勤時にお弁当を持参する」という選択肢がないことが不思議なんだけど、ラッシュ時にあの大きな弁当箱は持っていけない、ということなのでしょうか。それとも、できる限り作りたての温かい料理を食べたいから?列車は定刻に発車しなさそうなのに、こと弁当に関しては遅延や誤配は驚くほど少ないのはなぜ?
ムンバイの弁当事情に疑問はたくさんあるけれど、それは置いておいても全編通して心地よいリズムが流れておりました。
冷めきった家庭に絶望した主婦と、妻に先立たれた早期退職目前の男性の、弁当を介した不思議なつながり。ラブストーリーと捉えるならばさほど目新しい展開ではないけれど、リズムは好みだ。カット割りとかセリフの間とか、声だけしか登場しない人の存在とか。やたら馴れ馴れしくちょっとイラつくキャラの男性部下の存在も、よいアクセントでした。
結局、映画とか音楽とかの好みってリズムや間がすべてなのかしら。同じストーリーでも撮る人が変われば全く別物に仕上がるし、同じ曲でもアレンジによって好きになったり嫌いになったりするもの。
日々食すものが体を作るのと同じように、目や耳で吸収するものが人それぞれの間やリズムをつかさどる要素なのだとしたら、しょうもないもの観たり聞いたりしてる場合じゃないよね。別に映画を撮らなくたって、すべての人の生活のそこかしこで、リズムや間はにじみ出るものだから。
坪和さんのインド屋台動画が好きでよく観ているせいもあって、近頃なんだかインドの風景ばかり見ている気がする。でも、自分はインドには行かないし、行けないなあ。パクチー大国だもんなあ。そんなことより、インドは現在大変な状況にあり、ダッバーワーラーにも大きな影響を受けているらしい。
ラストはどちらに転んでも嫌だったので、観ている側にとってはこれがいちばんいい落とし所な気がします。エンドロール前のダッバーワーラーたちの歌声が、とてもよい。
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