一旦上がった生活レベルが下げられない。
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最終更新日:2020/12/05
ミニマルライフ
人間、一旦上がってしまった生活レベルは、なかなか下げられない。
なんてことを、よく言うじゃないですか。
しかし、実際は誰しもその時々の状況に応じたやり方でサバイブしているのではないか。それなりに楽しみながら、現状にアジャストしていくのではないか。
駅の外れにポツンと位置する上等な居酒屋で、友人らとそんな話をしていました。
現状へのアジャスト論をぶち上げたのは、もちろん私。
一旦上がった生活レベルが下げられない。
現役時代同様もしくはそれ以上の贅沢を手放せず、老後のやりくりに困難しているシニアについては、ちょこちょこ話題になるし、実際自分の周りでも問題は起こっているようで。
老後貧困の不安と「持てない」暮らし。
しかし「生活レベルが落とせない」は決して一般論などではなく、本来人は生活レベルというか、生き方や暮らし方を自由自在に操れる生き物なのでは。
ない袖は振れない、という意味でももちろんあるけれど、お金でもものでもなにがしかの条件や環境でも、なけりゃないなりにやっていけるし、クリエイティビティを伴う楽しみを見いだせるものではなかろうか。
少なくとも、気楽な一人身の自分はそうである。
もしもこの先あと数十年生きるのだとしたら、その分年も重ね、時代も変わるのだから、今と同じようにはきっと暮らせない。けれどその時々の状況に合った暮らし方を見出して、粛々と生きていくことでしょう。
一人暮らしの休日、10連休の憂鬱。
というような酔っ払いの与太話に対し、これまた別の酔っ払いがクスクス笑いながらいう。
「いや、アンタ程度の生活レベルの上下なんて、たかがしれてるから。生活レベルが下げられなくて困る人って、本気のセレブだから」
本論は、こうしてまんまと嘲笑われて終了したのでした。
言われてみれば、確かにそうかもしれん。
コの字カウンターで見る夢は
なんでこんな話になったかというと、参加メンバーの1人が例のアレの影響で仕事が減ったとか、地元に戻る決心をした友人がいてとか、そんな話が出たから。
不安定な仕事をしていると大なり小なりこういう影響はあるので、明日は我が身、決して他人事ではない。しかしこれから何が起こっても、もう少し先が残っている中年としてはどうにかやっていかねばならぬ云々の話をしていて、冒頭の論にたどり着いたのでした。
確かになあ。自分程度の振り幅なんて、たかがしれてるなあ。
もともと物欲はあまりないし、贅沢といえばたまの旅行くらい(それも今はいけない)。こんなこざっぱりとしたコの字カウンターがある居酒屋で、旬の旨い肴をつまめれば、瞬時に幸せになれる性分だし。
欲しいモノがない時代 生き方が最後の商品になる。
「ここはサ、気楽ないい店だからサ、おねえさんも、またいつでも来たげてヨ」
しょうもない話でああだこうだやっている中年グループに、隣り合わせたえびす顔のご老人が、静かにやさしく話しかけてくれる。
カウンター角の席によく馴染む、飾らない仕草と言葉。そして引き際のさりげなさ。あとで店主に聞けば、もう何年も毎日決まった時間に必ず顔を出す超・常連さんとのこと。
いいなあ。私もあんな大人になりたい。酒飲みとして生まれたからには、ああいう姿を目指したい。
したらばこの先は「居酒屋で毎夜酒が飲める程度に余裕のある生活」あたりを目標にするか。生活レベルを自由自在に操れる庶民ならではの、ささやかで壮大な夢。
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Comment
クリスピーさん初めまして!
三州屋の鳥豆腐で検索したらこちらのHPにたどり着きました(笑)
読んでみたらお酒好き、旅行好き、ライフスタイルの考え方、感じ方が私とすごく似ていて、ここ何日かずっと過去ログを読んでいます。
私もたまに旅行ができて(行けないなら行けないで全然OK、基本おうち大好きなので)いいおつまみとお酒が飲めて(値段ではなく)、家の居心地(広い狭い関係なく)がよければそんなに問題はないかなとは思っています。
こういうのって貧富の差に関係なく、自分が快適だと思うラインを定めておけば、あとは割とどうにでも暮らせるのではないかなー、なんて。
アレなアレも厄介ですが(ソーシャルなディスタンスは常時歓迎です)せめて旅行が行けるぐらいには収まってほしいですね。
私もキッチン付きのアパートメント大好きなので、クリスピーさんの旅行記参考にしますね。
また遊びに来ます。寒いのでお気をつけて。
Izumiさん
コメントありがとうございます。
まさかの鳥豆腐ご新規とは!なかなかレアな出会いではないでしょうか。いや、鳥豆腐について調べたくなるそのお気持ち、わかりすぎるほどにわかりますよ。久しぶりに食べたくなりました。
ふらふらと一人旅に出られない現状は残念ではありますが、私も基本的にはインドア人間なので、家にこもっていても一切退屈することはありません。その時その時の状況でなんとなくたのしくやれてしまう体質で助かっています。元気に酒が飲めればそこそこごきげんでいられますしね。
アレはもうしばらくのさばりそうな気配ですが、お互いまた旅に出られるその日を心待ちにしながら、愉快に過ごしたいですね。
今後ともよろしくお願いいたします!