灘の酒蔵巡り その5. 沢の鶴資料館から甲南漬へ 灘五郷リターンズ’16
あっちこっちへ飛びますが、今日は神戸の旅記録。
昨年行った酒蔵巡りが楽しかったので今年は西宮の方へ出向こうかと考えていたのですが、灘エリアで去年回りきれなかった箇所に行ってコンプリートする作戦に相成りました。
関連 灘の酒蔵巡り
コンプリートする意味があるのかと問われればまあないんですがいいじゃないか。
阪神大石駅からスタート、7kmの灘五郷散策
去年は阪神魚崎駅からスタートして4つの酒造資料館を巡り御影駅でゴール、というコースだったので、今回は大阪から30分、三宮から6分の位置にある阪神大石駅からスタートして昨年と同じく御影駅を目指します。距離にして約7km。
阪神大石駅前にもお馴染みの灘の酒蔵巡りマップが。
駅前に見える都賀川沿いを南に下っていきます。
最初に目指すは沢の鶴資料館。その間にも酒造メーカーの看板などをチェックしつつの散策です。
金盃でカンパイ!
川沿いをまっすぐ行くと10分足らずで到着です。
昔の酒蔵 沢の鶴資料館
灘五郷の今津郷、西宮郷、魚崎郷、御影郷、西郷のうち沢の鶴は西郷にあたる酒蔵です。
参考 沢の鶴資料館(沢の鶴)
沢の鶴が灘五郷の一つ西郷の地に創業したのは享保2年(1717年)。八代将軍徳川吉宗の治世下で、おなじみ大岡越前が江戸町奉行に任ぜられた年にあたります。
お、来年でちょうど創業300年ですかね。
「昔の酒蔵」沢の鶴資料館は、酒造りの歴史を現代に伝えるために、古い酒蔵をそのまま資料館として昭和53年11月に公開。昭和55年には酒造り道具と共に兵庫県「重要有形民俗文化財」の指定を受け、多くの方々に親しまれておりました。残念ながら平成7年1月の阪神・淡路大震災によりいったんは全壊致しましたが、3年7ヶ月の歳月をかけ平成11年3月に復興再建。
歴史ある貴重な資料館は全壊を乗り越えて今なお大賑わい。
私が到着した時は団体バスが2台も到着して大わらわの状態でした。
入り口で資料映像を見た後は道具類の展示コーナーへ。
酛仕込、麹づくり、洗米・蒸米、醪仕込、上槽と、酒造りで使われる道具類が工程ごとに展示されています。
資料館は2階建て。
酒蔵の資料を見る度に思うんだけど、洗米も蒸米も火入れもどの作業も重労働過ぎるので私、ひねり餅担当がいい。
【ひねり餅】
蒸きょうを終える直前に、蒸している米の少量をとり、手のひらでつぶしてこね、餅状にしたものをいう。これによって蒸し具合を調べる。(日本酒用語)
型に入れてウム、とか言いたい。
それにはこの草履入れの一番上まで行かなきゃいけないんですけどね。ていうか、そんなこと言ってる時点で出世できないですね、クビですね。
沢の鶴のサイトではこの資料館のパノラマ写真が公開されています。もちろん実際に行った方が楽しめるけど、雰囲気は味わえますよ。
資料を見た後はお馴染みミュージアムショップで試飲など。
本醸造生原酒をいただきました。
他の資料館と比べるとここの売店の方が一番熱心に商品説明などをしておられたような。生原酒の他に梅酒の試飲もありました。
前回の酒蔵巡りから多少はあれこれ考えながら日本酒を飲んできたこの1年。
関連 勝手に日本酒全国ツアー
売店のお兄さんが熱心なのをいいことに、調子に乗って質問とかしちゃいました。ありがとうございます。
しかしあれだけ混雑していたのに団体さんってあっという間ににいなくなるなあ。まあバスであちこち回ってるんだからそうそう一箇所でゆっくりもしてられないんでしょうね。ゆっくりのんびり見て回るならやっぱり個人旅行が吉、ってことでしょうか。
沢の鶴資料館
神戸市灘区大石南町1丁目29番1号
078-882-7788
こうべ甲南武庫の郷で奈良漬を堪能する
沢の鶴資料館を出た後は再び国道沿いまで北上。奈良漬でお馴染みの甲南漬本店へ向かいます。
西郷酒蔵の道、だって。
せっかくなので酒蔵の道に沿って歩きます。
甲南漬本舗は阪神新在家駅の少し東側。
酒蔵ではないですが、同じエリア内にあるし、ここも資料館あるし、と思って来たのですが。
まさかの休館日!
ミスった…。この資料館、古い洋館って感じで外から見ても素敵な雰囲気だったんだよねえ。入りたかったなあ、と思いつつ調べてみると
参考 こうべ甲南武庫の郷(甲南漬)
建築に興味のある方には知られておりますが、清水栄二氏設計により、1930年(昭和5年)に当時の社長宅として建築されました。
阪神淡路大震災により当時の本店が倒壊、跡地を「こうべ甲南武庫の郷」として整備した際に、「美味伝承資料館」として再開して今日に至っております。
なんと、社長の御宅でしたか!
全壊した後再建されたのか、当時の建築を再現したものなのか、はたまた一部は残っていたのかわかりませんが、御宅となると余計に見たかったような。
余談ですが甲南漬に行ってきたと父親に告げると「高島忠夫は甲南漬の息子だ」という妙な豆知識を繰り出してきました。ええ?そんなの聞いたことないけど…?と思って調べてみると、これ、一時期まことしやかに囁かれていたデマ情報だそうで。
ていうか、よくそんな噂話知ってたな。地元では有名な話だったのかしら?
現代ならつまらない噂話がネットで広まるなんて珍しくないけれど、昔からそういう噂話ってあったのね。そしてきっとそれは人づてに直で伝わっていってたんだろうなあ。
と、話が盛大に逸れましたが。
資料館が見れないのでせっかくだからそばにある甲南漬本店を覗くことに。
さっきから普通に甲南漬甲南漬って言ってますが、甲南漬って全国的にはどれくらいの知名度があるものなんでしょうか。
明治三年創業の歴史ある、自然の味覚を大切にした、伝統の味。
酒どころ灘の香味豊かな酒粕をふんだんに使いさらに自家吟醸の白菱味醂粕で味をととのえた、ふくよかな香りが自慢の高級奈良漬、甲南漬。
そうです、甲南漬とは神戸・灘にある奈良漬の老舗なのです。
が、私はこれまで地元の甲南漬はおろか、奈良漬界隈とは一切縁のない人生を送って参りました。
だってさー、奈良漬って子供は好まないよね?だって酒粕よ?
てことはアレだ、今の私なら、ってことだ。
甲南漬本店は試食天国でセルフサービスのお茶まで置いてありました。
いやー、いいね甲南漬。
奈良漬ってこれまでノーマークだったから瓜くらいしか知らなかったけど、野菜類はもちろん、イカとか貝とか魚介類を漬けたのの旨いこと。まあそりゃ粕漬けなんだから間違いないんだけど、ご進物用海の幸樽入海タなんてセットもあって、これ贈られたらかなり参っちゃうよねえ。
いやいや、資料館は入れなかったけど奈良漬の旨さを知ることができたし、来てよかった。
近頃は神戸の有名どころは全国展開しているところが多いけれど、甲南漬はネット販売はあるものの多店舗展開をしていないようなのでお土産にするには良いかも。私も家飲み用に購入しましたよ。ふふふ。
こうべ甲南武庫の郷
神戸市東灘区御影塚町4丁目4-8
078-842-2508
灘の酒蔵巡りリターンズ2016、もう少しだけ続きます。
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