いちょう並木のセレナーデ。 東京散歩・文京区
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東京散歩
近場の旅でも旅は旅。
というわけで、改めて東京都内各所を散歩してみるというお遊びをしています。
今回出かけたのは文京区。
そもそも東京都内でもまだ行ったことない場所もたくさんあるなあと考え至り始まった東京散歩計画。これまで殆ど訪れたことのない文京区は本来のコンセプトに則った正しいセレクトと言えますね。大昔友達に誘われて美味しいちゃんこ鍋を食べに行ったような記憶があるけれど、そのお店がどこにあったのかももう記憶が朧げだなあ。
用があるわけでもなく、特に目的地もないのに降り立った文京区。いつものようにぶらぶら歩いてみました。
千代田線千駄木駅からスタート
今回は地下鉄千代田線千駄木駅からスタートです。
駅前はさほど大きな街ではありませんが、小さなレストランやカフェ、雑貨店など楽しげな個人店が多く並んでいる印象強し。朝早かったから、まだどこも開いてなかったんだけどね。
駅前に地図発見。
【文京区】
東京23区の中央北寄りに位置する「文の京(ふみのみやこ)」と住宅の街。明治より夏目漱石や森鴎外、宮沢賢治等の著名な文人・学者・政治家が多く集まった。出版・印刷、先端医療が盛んで、大規模病院が多い。日本サッカー協会、講談社、東京ドーム、東京大学などがある。(wikipedia)
森鴎外に樋口一葉。文京区に所縁のある文人は多い。これは文豪の史跡を巡る散歩かなあ、などと思いつつ歩き始める。でもそうはならなかった。
不忍通りに団子坂、か。
風情があるというか、この妙に可愛らしい響きはなんなんだろうか。
まずは不忍通り沿いを根津駅方面に歩きます。
根津神社入り口。
ここで右折しようか迷いつつもなぜか直進。人生は毎秒が選択と決断の繰り返し、ってね。
根津駅が見えたところでようやく右折。
言問通りとはまたまたいいネーミング。などと考えつつもちょっと後悔。
この辺り、アップダウンきついのか…。
と思ったけれど急勾配というほどではありませんでした。ホッ。
言問通りを挟んで南北に東京大学の大きな敷地。
塀沿いにまっすぐ歩いて本郷通りへ抜けます。
いちょう並木のセレナーデ
本郷通りには銀杏並木が続く。もう少し時期をずらせば黄金色が見られたのでしょうが、樹木の効果かまだ車の少ない時間帯だったからか、空気がすごく気持ちいい。
が、臭い。
あたり一面に散らばり、踏み潰された銀杏の臭いが充満する本郷通り。
早朝ジョガーの姿もちらほら。澄んだ空気が気持ちのいいこの通り、走る人にとってはいいコースなんだろうなあ、臭いけど。
東大正門。
空の色がいまひとつで残念な一枚。
ところで東大正門からも続く銀杏並木、となると世代的には「いちょう並木のセレナーデ」を思い出してしまうのですが。
いやあれは本郷キャンパスじゃなくて駒場を指しているんだ、なんて諸説あるようで。
東大周辺はかなり静かな住宅街。文京区は子育てしやすい街としてよく名前が挙がるのもわかる気がします。学校や医療機関の多さだけでなく、区内に繁華街が少ないことも子育て世代が安心できる要素なのかもしれません。
ちょっとした路地にも地域性って出るよね。この辺りは本当に「閑静な住宅街」という表現が似合う雰囲気。
古めかしい旅館発見。後で調べたらなかなかのレトロ風情が楽しめる純和風旅館だそうで。
○○中学校御一行様、の表示がちらりと見えました。確かに、修学旅行のお宿っぽい懐かしさ。
地下鉄東大前駅近辺は東大以外にも多くの学校があるエリアだけれど、あまり「学生街」という感じはなく、あくまでもひっそりとした住宅街。コンビニなんかはちらほらみかけるけど、基本的に大手チェーン系の店があまりないことがこの静かな雰囲気を作り上げているのかも。
このまま本郷通りを駒込方面へ向かって猫の家経由でで団子坂へ抜けて…などと考えていたのだけれど、手前でなんとなく坂を下ってしまう。
ここを曲がればさっきスルーしてしまった根津神社へ出られる。お参りして、また元のルートへ戻ればいいか、などと考えたのだけどそうはならなかった。
根津神社は壮大で素晴らしかった、けど
根津神社北口。こちら側の入り口は「裏口」らしくひっそりとした構えです。
5代将軍綱吉の兄である甲府中納言綱重の屋敷で、6代将軍綱豊(家宣)が生まれた地である。このため、根津神社はその産土神となった。
宝永3年(1706)綱吉は現在地に社殿を造営した。権現造りの完成形として見事な姿を残す建築は、本殿、拝殿、幣殿、唐門、楼門、透塀が国の重要文化財に指定されている。正徳4年(1714)に行われた天下祭は空前絶後の壮大華麗さで後々の語り草になった。(文京区)
根津神社は神田神社や富岡八幡宮等と共に「東京十社」に定められている古社。近隣で多くの文人が暮らしていたことから、根津神社が登場する作品が多く残されています。国の重要指定文化財に指定されている本殿や拝殿の他、乙女稲荷の千本鳥居など広大な敷地内はかなり見応えがあり、くまなく歩き回り夢中で写真を撮った、のだけど、今根津神社のサイトを確認して発覚。
参考 境内での撮影について(根津神社)
根津神社の敷地内に於いて、個人的目的の非公開写真以外の撮影を行う場合は、営利・非営利を問わず、事前に当神社の承諾が必要です。
撮影禁止、でしたか。
おそらく個人のブログに掲載するのも「公開写真」にあたるのでは。知らなかったとはいえ無許可撮影、敷地内で撮った写真の掲載は自粛しましょう…。
お店で写真を撮る時は許可をもらうし、人の顔や車のナンバーなどは写り込まないように気をつけていたけれど、神社やお寺の写真は正直なところこれまであまり気にしたことがありませんでした。そっか、撮影禁止の場合もあるんだ。以後気をつけよう。
北口から入って表参道へ抜ける。
最後に正面から撮った一枚だけ載せておきます。
ルート変更の谷根千歩き
広い広い根津神社内をみっちり散策した後は再び元のルートを目指す気力が薄れ、そのまま不忍通りから千駄木まで戻ることに。夏目漱石や石川啄木の所縁の地を巡る文人ルートはどこへ行ったんだ。まあもともとそんなにがっちり計画していたわけじゃないですが。
自由気ままに直感の赴くままに進むのも無計画散歩の楽しみですからね。
千駄木駅近くのさんさき坂沿いには和小物の店や履物店などが並んでいて、なかなか趣があります。熱心に品定めする外国人観光客の姿もちらほら。確かに、旅行者には嬉しい東京らしさのある街並み。
この辺りのエリアはまるっと「谷根千」なんて呼ばれているからなんとなく同区内と思っていたけれど、谷中は台東区なんですね。
こじんまりと生活感溢れる商店街「よみせ通り」が丁度文京区と台東区の境目になっています。
自分の部屋にはできるだけ生活感がないほうがいいけれど、生活感溢れる商店街は大好物。最近は都内にもシャッター通りと化してしまった活気のない商店街が増えているけれど、この一帯はかなり賑わっています。
ここにも外国人多し。近くにゲストハウスでもあるのかな?それとも上野エリアとセットで周るんだろうか。
なかなかフォトジェニックなファサードが多いよみせ通り。
改めて地図を確認してみると、文京区は東は荒川区と台東区、西は豊島区、新宿区、南は千代田区、北は北区と6つの区と隣接しています。私が今回歩いた不忍通り付近が丁度境目に位置していることもあり思いがけずの台東区散歩ともなりました。
区が変わるということで、この先に続く台東区散歩についてはまた改めて。
これを書くために久しぶりに「いちょう並木のセレナーデ」を聴いて、ちょっぴり切なくなったのは内緒です。夕焼けのモータープルに借りてたレコード返しに行ったら誰とでも友達になれるような胸の奥の炎を消せないで彷徨ってた頃の思い出がよみがえるけれど、これはまた別の歌ですね。
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