魚に鶏に麺に芋 徳島で食べたもの 高速バスで行く徳島の旅 その5

公開日: : 旅人への道, 食べること ,

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神戸から高速バスで出かけた徳島の旅記録。最後は滞在中に行ったお店、食べたものをまとめます。

徳島の旅2018・秋

今回食事をしたのは鳴門駅と徳島駅周辺のごく限られたエリア内でしたが、おかげさまで魚に鶏に麺に芋、あれこれ満喫。

特産品がある地方は強いな、としみじみ感じた次第です。

鳴門の後悔、あそこ食堂

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鳴門駅で電車を待つ間にランチを取ろうとラーメンの店を探したのだけれどうまく見つけられずに焦る私たち。

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そこにちょうど食堂があったので、ここでうどんでも食べるかと入ってみたのです。その名も「あそこ食堂」。あそこってどこ?ここ。

あそこに入った瞬間、後悔しました。

JR鳴門駅から一番札所・霊山寺へ。高速バスで行く徳島の旅 その2。

だって、引き戸をガラガラっと開けたら、目に飛び込んできた景色がこんなですよ?

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なにこのご馳走の宝庫。

お昼にはやや早い時間だったので店内には我々のみ。あと数分後には次々訪れるのであろうランチ客のため煮魚やらなんやらのお惣菜が次から次へと厨房から陳列棚に運ばれていくのです。

飲みたい。今お父さんが大鍋から皿へと移し替えているあの煮魚とサラダとかタコとかエビとか取って、ビール飲みたい。

でも、電車の時間を考えるとゆっくり飲んではいられないし、酒に惑わされてこの後の予定を狂わすのもいかがなものか。珍しくそんな良識が働いて、泣く泣くうどんをオーダーしたのでした。

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プルシェンコ嬢はわかめうどん500円。

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私はちくわうどん400円。泣きながら選択したうどんだったけど、これがやたら旨い。

麺は一般的なうどんときしめんの間のような形状かつ不揃い、そしてコシとは無縁のやわらかさ。しなやかな麺にかなり濃い目に取られただしがよく絡みます。わかめうどんにはおろししょうがが浮かんでおりいいアクセント。わかめもちくわもご当地ものだもんなー、こりゃいいわ。しかしお隣、香川のうどんスタイルとはまるで異なるのが不思議。

こういうシンプルなうどんって、不思議と中毒性がありますね。また食べたい。

旅の唯一の後悔はこの店で飲めなかったことだから、次に鳴門に行く機会があれば再訪したい。是非ともお惣菜を並べて昼間から酒を飲みたい。なんなら〆にうどんすすりたい。ここ、あそこ食堂で。

お会計時、奥さんが

「おやつにどうぞ」

と、ふかし芋を持たせて下さりまた感激。小腹が空くであろう3時のおやつに食べようね、そうしようね、と約束したのに

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ほんの数分後、乗り換え駅でいきなり芋を食べ始めるプルシェンコ嬢。だって、甘いいい匂いがしたんだもの、ということでそれなら仕方あるまいね。

徳島の夜は居酒屋という名の居酒屋で

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眉山からの夜景を堪能した後は、駅周辺で一杯やりましょう。

眉山ロープウェイと3色の徳島 高速バスで行く徳島の旅 その3

ホテル近くの店をリサーチしていて目をつけていた居酒屋へ行ってみると、早い時間なのにまさかの満席でびっくり。が、みるからによそ者観光客である我々へのお心遣いか、常連さんがすぐに席を空けてくださいました。

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カウンター席だけの、小さな居酒屋。居酒屋って、店名です。居酒屋という名の居酒屋。

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だし巻きやらやっこやらの定番居酒屋メニューの他、その日おすすめの魚料理などの黒板メニューもあり。日本酒も豊富に揃っています。

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まずは赤星で乾杯、そして昼に食べられなかった煮魚をオーダー。メニューには「しおの煮付け」と書かれてあったこちら。しおってなんぞや?とご主人に聞いてみたらば、カンパチの小さいの、ということでした。釣りとかしないもんで、魚の名称に疎くてすみません。

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濃いめの煮汁にごぼう添え。いいねえ、こういうのが食べたかったんだってば。

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魚料理をもういっちょ、こちらはさわらの南蛮漬け。酸味の強すぎないつけ汁のバランスが素晴らしかった。

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写真ではサイズ感がわかりにくいかもしれませんが、いずれもかなりのボリュームです。

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肉料理も1品いきましょう、ってことでどて焼き。これも大きな深皿での提供。

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日本酒はせっかくだから地元の酒を選択します。私は芳水酒造の高柿木 純米中取り無ろ過生原酒。18.5度とアルコール度がやや高めの酒。

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お連れは阿波天水。こちらはすだち酎でおなじみの日新酒類の純米吟醸であります。

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いやー、いいねいいね、と2人でこっそり盛り上がっていたら、いつのまにやらお隣の常連さんとも会話が弾み始めるプルシェンコ嬢。一人旅ではいついかなる時も寡黙で無愛想な私だけれど、今回の徳島では彼女のおかげでやたらと人に声をかけられました。社交的な朗らかさんと一緒に旅をするとこういう驚きがありますな。

さて、生まれも育ちもここ徳島という隣席のお兄さんに、徳島の食文化についてあれこれ質問する私たち。曰く、徳島のお好み焼きと広島のお好み焼きの違いは、コテで抑えるか抑えないかの違いだ、とか、徳島はちらし寿司に甘く煮た金時豆を乗せる文化があり、子供の頃からそれがすごく嫌だった、とか。

えー、本当に?なんて話半分で聞いていたのだけれど(失礼)、翌日ローカルスーパーをリサーチしてみれば、お惣菜売り場で金時豆がたっぷり入ったちらし寿司を発見、ざわつく。お兄さんの話は本当だったんだね、新しい知識をありがとう。

地元の人と一緒にカウンターで談笑できて有意義な時間となった居酒屋、後でレシート見てびっくり。そんなに飲み食いしていないとはいえ、まさか2人で3千円ちょっととは。なんだかお安すぎやしませんか。

ところで徳島といえば瀬戸内海の幸、というイメージが強かったのだけれど、実際に来てみればかなり鶏肉推しなんですね。高松で食べたような骨付き鶏の専門店も多数見かけました。

一鶴(いっかく)で骨付鳥にかぶりつく 高松弾丸日帰りの旅

そういや徳島には「阿波尾鶏」なるブランド地鶏があるんだった。

阿波尾鶏物語-開発からブランド確立まで-(徳島県)

後発組が販売促進するにはインパクトの強い名前が必要と考えられ、畜産研究所の職員が、尾羽の綺麗な鶏と躍動感あふれる鶏をイメージし、徳島県のエネルギッシュな踊り「阿波踊り」とかけて「阿波尾鶏」と駄洒落で呼んだのがきっかけで、当時の畜産課長が『ほれはおもしろい、ほれでいこ』と決定しました。

そうですか。まあそうでしょうね。それにしても命名のノリ軽すぎィ!

先ほどの居酒屋でも阿波尾鶏メニューがあったのだけれど、せっかくだからハシゴしましょうと目をつけていた鶏料理店に足を運んでみたらば、またまた満席で残念無念。

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もうちょい飲みたかったので適当に歩いて適当な店に入り、すだち酒サワーなんぞを頼んでみる。

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そしておもむろにおやとひなの焼き鳥をお試しオーダー。こうして食べ比べるとやっぱり全然違うなあ。明日はしっかり鶏肉を堪能しましょうね、ということで1日目は終了です。

徳島ラーメンはごはんのおかず

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ご当地ラーメンは数あれど、甘辛く煮た肉が浮かんだスープに生卵を落とす徳島ラーメンはなかなかにそそるビジュアルで、以前から気になっておりました。わたくしなどは飲んだ後のラーメン重ねなどもやぶさかではない側の人間なのですが

「〆ラーメンなど人として最もやってはいけない行為だ」

と強く訴える連れに従い、昨晩は赤のれんを横目に〆ず。

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徳島駅あたりはちらっと歩くだけで、ラーメン店にポコポコ遭遇できます。うーむ、食べてみたいわ、徳島ラーメン。

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ということで、ラーメンは2日目の昼食に。阿波おどり会館で見事優秀踊り子認定を受けた祝いの一杯を「萬里」で決めようではありませんか。

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ちょうどランチライムだったこともあり、店内はまたまた満席で、しばし待機ののち入店です。

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中華そば、チャーハン、餃子にビールと潔いメニュー構成。ここはやはり肉玉子入りの中華そばをオーダーでしょう。

テーブル席6卓ほどの店内を仕切るは店主と思しき男性ただ1人。調理、接客、会計の全てをこなすまさかのワンオペに驚くも、さすがの手さばきにてすぐに念願の徳島ラーメンがやってきました。

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中華そば肉玉子入り小 750円。うん、「ラーメン」というより「中華そば」の呼び名の方がしっくりくるビジュアルです。

濃いしょうゆ味に煮込まれた肉がのっかった細麺。これ、絶対卵入りがいいね。すき焼き感覚とでも言いましょうか、絶妙なる布陣。

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かなり濃厚だなあと思いつつ、なんとなくベースのスープも飲んでしまうこの感じ。絶対ライスと相性いいよね、ごはんのおかず系ラーメンだね。とは思うけど、この後もあるので米は自粛。

他の店のそれと食べ比べていないので、徳島ラーメンのなんたるかはまだわかっていませんが、機会があればやってみたい禁断の炭水化物重ねライス添え。そんな新たな野望の芽生える魅惑のご当地ラーメンでした。

昼酒天国「安兵衛」で徳島旅の最後を飾る

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旅のフィナーレはここで飲みながら帰りのバスを待つ。事前からそう計画していた駅前の大衆割烹「安兵衛」。朝10:30から飲める、昼酒天国です。

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看板は「寿司、定食、季節料理、やきとり」と大衆店らしさ満載のラインナップですが、ここもやはり阿波地鶏推しの模様。

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とりあえず、わかめの酢の物にすだちをキュッと絞ってビールをやっていると、お店のおねえさんから

「いちばんのおすすめは、きも焼きね」

とアドバイスをいただいたので即のっかる。やっぱり鶏か。鶏推しなのか。

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ほどなくお出ましになったおねえさんおすすめの一品、きも焼き。ちょっとものすごい量なんですがこれで390円というからどうかしてる。

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甘みのつよい濃い味タレでさっと炒められたレバーの味わいはもちろんのこと、大量に添えられたゆでキャベツのやさしいサポート力が胃にしみる。うどんもラーメンもそうだったけど、徳島って全体的に味付けは濃いめの文化なんですかね。酒飲み仕様なんですかね。ていうか我々、さっきラーメン食べちゃってるんで、そんなに入らないんですけどね。

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といいつつ大衆酒場の定番、ポテトサラダをオーダー。これもかなりの量で盛られて300円。隣席のご夫婦が食べてた野菜サラダなんか大ボウルにてんこもりでしたからね。安くてボリュームたっぷり。

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さすがは安兵衛、その看板に偽りなし。

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焼酎もとっくりになみなみと注がれての登場であります。

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そうそう、焼き鳥も食べておかなきゃね。まずはメニューの一番上に記載されている「やわらかい」を。

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続いて「かたい」。

かたい、とやわらかい。これ、おやとひな、ってことですよね、きっと。「ひな」はやわらかジューシーで間違いなくイケるけど、私はやはり噛めば噛むほど系の滋味深さのある「おや」派かしら。ちょこっとつまみたい気分にちょうどいいサイズで、小ぶり串好きな私はにっこりです。

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我々が入ったのは夕方16時頃というヘンな時間だったので、最初は旅行者がちらほらいる程度で静かでした。が、気づけばカウンターはほぼ満席で、テーブル席も徐々に埋まりつつある。カウンター席には地元の常連さんも多かったけれど、出張で立ち寄ったであろうサラリーマン風の男性の姿も目立つ。

そりゃ寄るでしょう。 駅前に朝から空いてるこんな天国のような店があったら、暇さえあれば寄るでしょう、と思いました。昼酒大好き、ビバ安兵衛、ああ、大衆酒場よ永遠なれ。

徳島の近さを知った旅

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神戸から高速バスで行く一泊二日徳島の旅、これにて全行程をコンプリートしました。

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帰りは18:00発の阿波EXP神戸号に乗車です。

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車内ではコーヒーのお供に駅の売店で買った鳴門芋のスイートポテトなど。酔い覚ましの糖分という名目です。

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神戸・三宮駅には19:48着。しゃべったり芋食んだりしてたので、寝るヒマもなくあっという間でした。

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そうなんだよね。東京からだと考えるとそれなりに時間かかるけど、神戸と徳島って実はめちゃくちゃ近いんだよね。実際に訪れてようやくわかるこの近さと楽しさ。国内旅行の面白さに改めて目覚めた徳島の旅でありました。

ああ心底楽しかった。さて、次はどこへ行こうかしら?

 




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