台湾一周一人旅 鐵道芸術村に太麻里の海。台東の街歩き。
台湾一周一人旅、6都市目の台東に到着しました。
これまでは西側を南へ向かって走り続けてきましたが、ついに西側から東側に移動。この先は北上することになります。旅も後半戦、ですね。
さて、台東。例によって前日まで密な情報収集もせず宿も取っていない状態だったのですが、ホテルを検索していてようやくこれまでの都市とちょっと違うかも?と気付いたのでありました。
台東駅周辺
台東市(たいとうし、中国語:臺東市、英語:Taitung)は台湾台東県の県轄市。台東県政府の所在地である。台東平原は古くは卑南族、阿美族が遊耕生活を送る活動地域であった。オランダ統治時代から清初にかけてこの地は「卑南」と称され、漢人による交易が行なわれていた。(wikipedia)
そう、ここまでの都市は駅前にホテルが集中しており、できれば駅から徒歩移動できる位置にある宿がいいな、という基準で宿を選んできたのですが、台東駅付近には目ぼしいホテルやゲストハウスの類がないのです。
なんでだろう?単に観光客が少ないエリアで他の地域と比べて使い勝手のいい宿が少ないだけなのかな?などと考えたのですが、違った。
現在の台東駅は1992年の南廻線の全線開通時に「台東新駅」となり、その後市街区の元の場所にあった旧台東駅の廃止によって2001年に「台東駅」となったもの。つまり、台東の入り口としての歴史はそう古くなく、新駅周辺よりも旧駅周辺の市街区のほうが賑わっている、ということのようです。
にしても新駅としてオープンしてから20年以上経っているのに未だ旧駅側のほうが勢いがあるのが不思議といえば不思議。日本だったらあっという間に新駅側に駅ビルとかガンガン建てちゃって人の流れが変わるもんね。
事情が飲み込めたので今回は珍しく駅から少し離れて旧駅に近い市街区の宿を選択したのでした。
台東の交通手段
台東駅周辺はガランとしていてなにもありません。バス乗り場は駅前にあるにはありますが、大きなバスターミナルは旧駅側にある状態。なかなか旅行者泣かせの駅なのです。よって、とにもかくにも旧駅付近まで出るのが得策かと。
旧駅まではタクシーで15分程度、料金は280元(=約980円)。
タクシーに乗ってから気付いたのですが、初乗り料金が100元(=約350円)と他の地域と料金が違いました。最初はあれ、もしかしてメーターリセットしてなかったのか、などと疑ってしまいましたが台湾では地方都市のほうがタクシー料金は高めに設定されているようで、後日確認したところ駅前のタクシー乗り場にきちんと料金設定に関する記載がありました。また、長距離乗車に関してはメーター制ではない定額の支払いや乗り合い方式も健在らしく、利用する前に確認が必要です。
そしてこれも他の都市と違った、というか、台湾に来て初めての出来事だったのですが、お釣りがもらえませんでした。ドライバーが
「お釣りこのままもらっちゃっていいでしょ?」
的なことを言ってきた(多分)のですが、システムがよくわからなかったので
「??お釣りは??」
と素朴な疑問をぶつけるとしぶしぶながら返してくれました。それまではかなり少額でもきちんとお釣りが返ってきていたのであまり気にしていなかったのですが、なんだったんだろう。台東では小銭はチップ的に渡さないといけなかったんだろうか。結局台東でタクシーに乗ったのはこれ1回だけであとはバスを利用したので真実はわからず。
ちなみに台東駅から旧台東駅間のバス料金は24元(=約80円)、20分ちょいでした。
台東で泊まったところ
そんな訳で今回は駅から離れた市街区のTraveller-Inn TieHua Light Spot Hotelというホテルに宿泊。
駅からは離れていますが旧駅バスターミナルの目の前。こじんまりとした街のど真ん中なので交通に食事に何かと便利でした。
私がチェックインした際のレセプション担当は若い女性2人。一人は私の認識にある台湾人とはかなり違うエキゾチックな顔立ちの美人で私が達仁郷に行きたい、と話すと
「そこ、私の出身地!」
と嬉しそうに教えてくれました。
台東に入った途端行き交う人々の顔つきが変わったなあと感じていたのですが、ここ台東は台湾で最も原住民比率の高い地域。なるほど、彫りの深いキリッとした顔立ちの彼女は生粋のパイワン族、というわけですね。
このホテル、便利だし、清潔だし、必要最低限のものは揃っていていい宿なんだけど、共有スペースがないのがちょっと残念だったかな。詳細はまた改めて書くことにします。
※追記 詳細書きました
関連 台湾一周一人旅 高雄、台東、花蓮で利用したお手頃で便利なホテル。
台東で行ったところ
台東では予め密に計画をしていなかったこと、所用で動けない時間ができてしまったことなどが重なり、気になっていた達仁郷など少し離れた地域まで足を運ぶことができませんでした。行きたかったんだけどなあ…無念。
が、それでもめげずに散策はしてきましたよ。
鐵道芸術村
行った、というか、ここが旧台東駅、ホテルの目の前であります。
廃止になった旧台東駅、現在はバスターミナルと鐵道藝術村と名付けられた観光・散策スポットになっています。
ホテルスタッフの話によると、知本温泉、関山、池上など、目ぼしい地域には鉄道でもいけるけれど、旧駅から出ているバスを利用する人のほうが多いのだとか。
週末にはイベントも開催されている模様。
革製の小物を製作している工房やセレクトショップらしきお店、付近にはカフェやおしゃれなピッツェリアなどもあり賑わっています。
イグアナ…?
多数のランタンにあかりが灯る夜の景色も素敵。
かなり広範囲にわたってランタンが設置されています。
子供の手作りっぽいこのランタン。常時あるものではなく、何かのイベントだったのかしら?
台東観光夜市
旧駅側にある夜市。観光夜市、とは言うものの普通の商店街といった趣で夜市らしさはありません。平日で雨だったからかな。
果物屋さんでライチが目に止まり少しだけ購入。これで50元(=約180円)。
ライチって冷凍ものしか食べたことないかも。美味しくてぺろりと平らげてしまいました。
中央市場
朝は早起きしていつものように市場を見学。
台湾の茄子って細長いよねえ。
市場見学の後は朝ごはんを調達。今回のホテルは朝ごはんつきで近所のお店で50元まで使えるチケットをくれました。これ、結構嬉しい。ゲストハウスのキッチンでトーストとコーヒー食べるより、外で台湾らしいものを食べるほうがいいもんね。
各地で見かける朝ごはんチェーン店?的なお店。
三明治と豆漿をお持ち帰りしてバスターミナルでいただきます。おいおい、サンドイッチじゃなくてもっとそれらしいものがあるでしょうが、って感じですが、台湾の朝ごはん専門店「早餐店」って、絶対この三明治が置いてるよね。
食べかけ失礼。
甘い。パンも卵もマヨネーズも甘い。べたっとした甘さじゃないんだけど、やっぱり台湾って甘党なんだわと再認識する三明治でした。しかし朝の豆乳ってのはなかなかいいですね。コーヒーより確実に胃に優しそう。
太麻里
実は台東到着時に駅で翌日の切符を購入していた私。よって行き先は決まっていたのですが、なぜか出発間際に変更したくなってしまったのです。
クレジットカードで買ったこの切符、変更できるのかしら?と窓口で掛け合ってみると時間変更は無料でできるけれど行き先を変えるならキャンセル手数料として20%が必要とのこと。
20%か。勿体ないかなあなんて思ったのだけどよくよく計算してみると数十円。ならば本能に従え、ということで急遽予定を変更して高雄から移動する列車の中で気になっていた太麻里(たいまり)という駅へ向かったのでした。
お、鉄道ムックで見た丸い通路の電車だ。
表示をみると1982年の東急製車両でした。
なぜ太麻里が気になったのかはよくわからないのですが、とにかく駅名の響きに惹かれたのと周辺の景色が美しかったこと、そして
駅自体の佇まいがなんとなく気になっていたのでした。
太麻里は中国語読みも英語読みも日本語読みもTaimali。
改札口の向こうに青い海が見えます。
旭日東昇的感動。どうやら日の出が美しく見える場所のようです。
駅の目の前は下り坂。このまま海に出られるのかな?
駅のある山側はどんよりした雨雲。でも
海側に振り返るとこの青空、不思議な天気です。
駅前の坂道は日昇路という名称。
突然来ちゃったので何があるのか何もないのか一体どういう街なのかもよくわからないままに歩きます。
街の至るところに釈迦頭が。そう、ここ太麻里は釈迦頭の産地として有名な地域でした。本場太麻里の釈迦頭、食べたかったけど時期はずれで出会えず。
釈迦頭の季節は夏から春まで。夏の太麻里は釈迦頭だけでなく金針花も満開になるそうな。
参考 台東太麻里金針花季(旅々台北.com)
金針花は7月中旬から9月末頃に鮮やかなオレンジ色の花を咲かせるユリ科の花です。太麻里金針花季(太麻里金針花フェスティバル)は毎年、金針花の開花期に合わせて開催されるイベントで、2013年は8月3日から9月15日にかけて行われます。
太麻里を訪れるなら9月あたりが狙い目かもしれません。
檳榔の店も多い印象。
原住民服飾工房なる看板を発見。
ご自由にどうぞ的な表示があったので入ってみたのですが
店内に誰もいない…残念。
原色の艶やかな衣装は正装用でしょうか。
地図でみるとそう遠くなさそうなので、海まで出てみることに。
道は舗装されているけれど、バナナとか生えててほとんどジャングル。
これ、釈迦頭かなあ。マンゴーもこうして紙で包むけど、どうなんだろう。
海沿いに休憩所があるようです。
海が近づいてくるにつれ、何か楽器の音が聞こえてきました。誰か演奏してる…?
と思ったらこれでした。
この金属の筒が風に揺られてぶつかり合うことで音を奏でていたのですね。
誰もいない海。
なんか私、今回の旅で漁港とかフェリーとか海の側ばかり来てる気がする。
ちゃっかりビール。
そして街のセルフ形式食堂「自助餐」にて調達したお弁当でお昼ごはん。
鮭のムニエル的なものをメインに烏賊の煮付け、キャベツの炒め物、空芯菜にししとうなどシステムがよくわからなかったので適当に盛ったお弁当70元(=約250円)。1品いくらの計算なのか、はたまた量なのか。
ふふふ、なんだかなあ。
結局私は美しい景色と美味しいご飯、そして酒があればすこぶる上機嫌になれるのだ、と改めて認識したのでした。
台東の夜
さてホテル付近で台東の名物料理は食べられるのかな?と検索してみたら、有名な臭豆腐の店があるようで。
臭豆腐…。きっと私にはちょっと早い。
よって夜はホテル近所の食堂で簡単な夕食。
いいねえ。
茹でたブロッコリーと魯肉飯のアタマを絡ませたようなおかずに
干しエビの旨みを存分に吸い取った白菜の煮物。
メインはたっぷりの針生姜が添えられた砂肝。台湾はモツのことを「下水」と表現するらしいのでちょっとうへぇってなるのですが、新鮮でうまい。
で、この後
〆の麺類なんかいっちゃったり。
なんだろうこれ。素うどん的なやつですね。とても優しい出汁が五臓六腑に染み渡ります。こういうローカルな食堂がずらりと並ぶ通りに
ユニクロやミスタードーナツ、シネコンが入ったビルがあったりするのでなんだか新旧入り乱れな感じで混沌としています。
時間が足りないわ突如予定変更するわでドタバタだった台東。
でもこうして振り返ってみると結構充実してたようにも思えます。
台湾鉄道一人旅、いよいよ後半戦に突入です。
関連 台湾一周鉄道駅弁一人旅 その6. 池上駅 全美行 池上鐵路月台便當。
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