台湾一周鉄道駅弁一人旅 その6. 池上駅 全美行 池上鐵路月台便當。

公開日: : 最終更新日:2016/10/23 旅人への道, 食べること

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台湾を鉄道でぐるっと一周しながら各地の駅弁を堪能する旅もそろそろ終盤。

これまでは出発駅で駅弁を調達してホームか車内で食べる、というパターンだったのですが今回は別形式。台東から台湾一の米どころとの呼び声高い池上まで移動して台湾駅弁愛好家憧れの池上弁当を購入しようという計画です。

先日太麻里行きの前に行く予定だったのはこの池上。当初は池上とその周辺を日帰り散策して、台東出発時は同じく米どころである関山の弁当を調達する、というプランを立てておりました。が、台東滞在中に次の行き先の途中にある池上に行ってまた戻る、というのもなんか勿体無いなあと思い直して急遽変更したのです。

とにかく台湾駅弁ツアーの中でも楽しみにしていたこの池上弁当でしたが、宿を出発した朝には全く想像していなかった理由によって忘れ難い駅弁となったのでした。

台東から池上へ移動

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お昼時に池上駅に到着できるようにと選んだのは台東発10:50の自強号。運賃は93元(=約330円)、所要時間38分。

事前に調べていたところ台東駅にも池上弁当が売られているという情報があったのですが、全くもって見当たらず。というか、台東駅の売店では駅弁らしきものが売られていませんでした。見落としていたのか、時間的においていなかったのかは不明ですが、どのみち池上に行くつもりだったので問題なし。

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池上は各駅停車でも台東から7駅目なのであっという間です。

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今回は行けなかったけど、関山もまた機会があれば行ってみたいなあ、と思いつつ通過。

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窓の外にはさすが米どころ、といった風景が広がります。この辺りは海も綺麗だけど田んぼの景色もなかなかのもの。

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到着。
いけがみ、と読んでしまいたくなるけれど正しくは「チーシャン(Chishang)」日本語読みでは「ちじょう」です。

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台湾鉄道&駅弁の予習にと読んでいた駅弁ひとり旅 ザ・ワールドによると自強号到着時にはホームに池上弁当の売り子さんが出現する、とありましたが、その気配はなく。

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かなり急な階段を下って改札へ。

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改札を出てみるとなんと、池上駅も大改修工事中でありました。
鉄道の旅、駅舎を見るのも楽しみのひとつになっていただけにちょっと残念。売り子さんがいなかったのもこの工事と関係あるのでしょうか。

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さて、肝心のお弁当を見繕って次の目的地へ向かう列車内でいただくことにします。まずは駅で時間を確認して池上発12:21の莒光号の切符を花蓮まで購入。料金190元(=約670円)、所要時間は2時間31分。ホテルのチェックインにちょうどいい時間に到着できそうです。

台湾駅弁その6. 池上駅 全美行池上月台便當

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池上駅を出ると駅前にお弁当屋さんらしき店がいくつもあります。

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「池上弁当」というのは台湾弁当界では一種のブランドと化しているようで、ここ池上だけじゃなく台湾各地で「池上」の名を冠したお弁当屋さんを目にします。もちろんそれらのお店は高級ブランド米である池上米を使っているのでしょうが、きっと池上が頭についているとちょっと美味しそうに見えちゃうからってのもあるのでしょう。北海道ソフトクリームとか築地寿司とかと同じ感覚ですかね。

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いろいろ食べ比べてみたいところですが胃袋はひとつ。ここは駅徒歩1分の場所にある「全美行」の駅弁で手を打ちましょう。

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ここ全美行は池上駅構内でも長年駅弁を販売している実績があるお店だそうな。

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店内は弁当以外に池上米やお菓子なども販売されています。イートインスペースも設けられていて店内で食事している人も多数。

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お、ビールも売ってますね。が本日休肝日につき自粛です。

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弁当はレジで注文・支払いをしてこちらの厨房カウンターでできたてほかほかを受け取る仕組みです。レジ担当のマダムは日本語が堪能な方でした。

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弁当受け取りカウンター横の壁には駅弁のフタや包み紙の裏に綴られたメッセージがずらり。美味しかったよ!的なヤツなんだろうなと思ったら、なんか「永遠の愛」とか書いてるのもありますね。弁当のフタに込めた愛の行方が気になるところ。

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念願の池上鐵路月台便當80元(=約280円)を購入。ポップなパッケージが妙に可愛らしい。

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包み紙にも「台東駅前店」の文字が。やっぱり台東駅の駅弁売店は見落としてただけだったのかなあ。

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無事弁当を入手したので店を出て駅で電車を待つことにします。
が、何しろ工事中なので駅前のベンチしかスペースがない。電車が近づいてくるまで改札も開かない。

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同じく改札が開くのを待つ人々を眺めながらほかほかの弁当と待機です。

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池上駅から望む田園景色もまた素晴らしい。この日は初夏の陽気だったけど、写真だけ見ると秋晴れって感じがしますね。

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自強号に乗り込んで早速池上弁当オープン。おお、おかずびっしり、盛りだくさんではないですか。

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メインはドカンとのった焼豚、なんだけど脇を固めるおかず軍もなかなか肉肉していて衣がアメリカンドックのような甘さのある鶏のフリッター、おなじみ腸詰に煮卵。

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そして上部中央に見えているのは揚げた叉焼のようなもの。骨つきの豚肉にサクっとした衣が付いているこれ、なんていう料理だろうと調べてみたところおそらく紅槽肉(豚肉の紅麹漬け唐揚げ)ではないかと。左上の茶色いものはカラッとした食感の鰹節ふりかけ。

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右側は塩茹でキャベツとにんじん、高菜、甘酢生姜に瓜系の漬物、とご飯が進みそうなおかずがなんと10種も。

いやあ、80元というお手頃価格でこの内容とは豪華ですね。そしてやっぱりご飯が美味しい。日本人好みの米といいますか、もっちりふっくらです。できたてほかほか状態で木製の弁当箱に詰められているから、というところも大きいのだろうけど、やっぱり池上米自体の美味しさもあるんだろうなあ。米がダメだったらいくらおかずが豪華でも台無しだもんね。

などとそれなりに味わって食べたつもりの池上弁当ですが、この時の私は目の前にある美味しい弁当じゃない別のことばかり考えていました。

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出来事や思い出はその時に見た風景や聞いた音、そして味と共に記憶に残っていくもので。

この日、台東駅に到着して駅でwifiにつないだ瞬間飛び込んできたメッセージ。
覚悟はできていたつもりだったけれどこんなに早くその日が来ると思えずにいた私は、メールを見た瞬間自分でも驚くほどに動揺していました。

悲しいとか辛いとか寂しいなどでは表現し難い何か。今まで味わったことのないような感情が沸き起こるのはなぜだろうと考えてみれば、とても近くで過ごして多くの愛情を注いだ存在を失った経験がこれまで私の人生には一度もなかったのだ、と気がつきました。

もちろんこの年になれば幾度も別れに遭遇するのは自然なこと。知人や親戚、友人が病気や災害、事故で帰らぬ人となってしまったことはあるし、彼らの存在が自分にとって軽いものだった訳では決してないけれど、それでもやはり彼女は特別だったのだと実感せざるを得ませんでした。

会いに来て、と言われていたのに最後になるのが怖くて会えなくて、結局は二度と会えなくなってしまった。
会えないままいなくなってしまったら後悔するかもしれないからその前に会いに行かなくちゃ、なんて考えもしたけれど、自分の将来の後悔を回避するために会いに行くのも嫌だとかややこしいことを考えていた私を待つことなく静かに旅立った彼女。会わなかったのは心残りじゃない、といえば嘘になるけど、会わないままでいたのも決して無意味ではないと思えたり。

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あの世だの来世だのがあるのかないのかわからないけれど、私があちら側に行ったならまずは彼女を探すんだろうな。その時にはこの世と違って共通の言葉を使ったコミュニケーションができるのかしら?

そんなことをつらつらと思い、彼女が喜んで駆け回りそうな深い緑に青い空が続く景色をぼんやりと眺めながら食べた美味しくも切ない池上弁当。きっとこの先忘れることはないであろう駅弁になったのでした。

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なんて少々湿っぽい感じになってしまいましたが7都市目の花蓮駅に到着です。

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スカッとした秋晴れのような田園風景とは打って変わって曇り空。

台湾一周の旅、そろそろ終わりに近づいてきました。

関連 台湾一周一人旅 松園別館に鉄道員の古写真。花蓮の街散歩。




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Comment

  1. ocapi より:

    はじめまして。いつもブログを拝見し、「シンプルに生きる」ってことを日々模索しています。

    台湾一週の旅、お疲れ様でした!
    わたしは研究の関係で台東県の北部の先住民族(台湾では「原住民族」)の集落に累計2年ほど住んでいました。池上(いけがみ)近くの玉里(Yuli;たまざと)駅からバスで40分ほどの、海沿いののどかな集落です。
    住んでいたときは下宿先の親族闘争に巻き込まれたりと日々を楽しく暮らしていたわけではありませんが、今回の旅レポで、とても懐かしくなりました。

    鉄道にはその良さがありますが、次回東部に行かれることがあれば、ぜひ、台東駅から花蓮駅まで路線バスで移動なさってみてください!
    約4時間かかりますが、天気がよければ景色が最高です。
    そして、途中下車してみてください。

    原住民族の長老たちのなかには、「日本人」として成長することを余儀なくされた人々がおり、日本語が堪能な方がまだいらっしゃいます。
    「台湾は親日だ」という言葉では表しきれない歴史記憶を共有するのが原住民族の人々ですが(これは漢族でもそうですが)、きっと、「ビールのむか?ビンロウいるか?」と、歓迎してくれます!

    ・・・原住民族の料理をはじめ、ビール、粟酒、餅米酒、日本ではなかなかないシイラのお刺身・・・おいしいものがいっぱいの危険な地域でもあります。笑(わたしは2年間で7キロ太りました)

    • crispy-life より:

      ocapiさん

      はじめまして。コメントありがとうございます。

      研究で2年間お住まいだったとのこと。2年は決して短くない期間ですのでとても貴重な体験をされたことと存じます。今回の旅で台湾の歴史や先住民文化に関する興味が湧きまくりだったのでお住まいだった当時のお話を聞いてみたい衝動にかられます。

      今回のテーマは鉄道・駅弁だったのでバスでの長距離移動はしませんでしたが、バスはもともと嫌いじゃないので次の機会は台東バスターミナルから長距離バスに乗ってその地域でしかできない体験をしてみたいものです。

      今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

  2. ocapi より:

    ご返答くださり、なんだかとってもうれしいです。

    いつかまた台東の田舎を旅されたとき、どこかで偶然お会いできたら、そしてビールをご一緒できたら〜、なんて思いました。
    太平洋と中央山脈を臨む台東でビール・・・最高ですね!

    今後ともよろしくお願いいたします。

    • crispy-life より:

      ocapiさん

      こちらこそ素敵なコメントを頂きありがとうございました。

      >太平洋と中央山脈を臨む台東でビール・・・最高ですね!

      いやもう、それは最高以外の何でもないです、ホント。太麻里の海を見ながら思ったことでもありますが、ちょっとしたことでも最高の気分は作れるのだなとようやくわかり始めてきた気がします。

      今後ともどうぞ宜しくお願いします!

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