必要最低限の部屋、夢も希望もありゃしない。セブ日記 1
本日のセブシティは晴れのち曇り。日中の気温27度。朝夕はエアコンなしで過ごせる気候でエアコン嫌いにはありがたい。
語学学校体験初日。フィリピンに到着した昨日は移動の疲れもあって昼寝をしてしまったので夜眠れないのではないかと心配していたが、杞憂であった。ぐーぐーだった。
枕が変わったら眠れないなどという繊細さとは無縁の大らかな性分はこういうシチュエーションでは大いに役にたつ。何しろ、私がこれから1ヶ月滞在する部屋はクローゼットとデスク、簡易ベッドが置かれているだけの文字通り必要最低限の施設。テレビもなければ冷蔵庫もない。エメラルドグリーンが広がるビーチが魅力の南国セブにおいて、ラグジュアリーなリゾートホテルステイとは真逆の過ごし方である。
今回の目的を考えれば、これで十分、何も不自由はない。ただひとつ問題があるとすれば、ネット環境の悪さ。初日にしてセブ日記継続危うしの気配が濃厚になっている。
社会人のセブ島短期語学留学、朝5時に見た風景
異国情緒溢れるややきつめの柔軟剤の香りに包まれてぐっすり眠った昨夜。おかげで早朝5時過ぎにしゃっきり目覚めることができた。朝の白湯を飲もうと廊下に設置されたウォーターサーバーに出向くと、既に数人の若者が自習スペースで勉強を始めている。
朝5時から、自発的に勉強。
何目線なのかよくわからないが、日本の若者もなかなかどうして捨てたものじゃないとどこか誇らしい気持ちになる。何事かに一生懸命取り組む若者の姿はいつだって眩しい。無論、いたずらに眼を細めている場合ではなく、中年こそ懸命に取り組むべきである。
ちなみに、ざっと見渡したところ大学生と思しき20代前半の若者がほとんどではあるが、ジョブチェンジ期間を利用してのスキルアップに励む30代前後の社会人の姿もちらほらと。当然、40代半ばの私は最年長留学生。礼儀正しい若い人たちがあれこれ気遣ってくれるのがうれしい。
今日の食事
- 朝 白菜炒め、瓜の煮もの、魚のすり身のスイートチリソース、ごはん、スープ、バナナ
- 昼 骨つきチキンカレー、キャベツ炒め、なす炒め、ゆでとうもろこし、ごはん、スープ、パイナップル
- 夜 ひき肉と豆腐炒め、インゲン、揚げさつまいも、きゅうりサラダ、ごはん、スープ、すいか
食事はフィリピン人スタッフが毎食準備してくれるいかにもフィリピンらしいそれ。野菜好きな日本人に合わせて付け合わせやデザートが工夫されているのがよくわかる。滞在費用に含まれている食事ゆえ、決して豪華なものでも特別旨いものでもないが、人様に毎食ごはんを作ってもらえるありがたさが身に染みる。
毎食提供される食事の他に、朝、昼、夜でコーヒー3杯、ビスケット2枚を口にする。普段は1日2食しか摂らないというのにこれは明らかに食べすぎ飲みすぎである。要調整。
セブ留学 クラスレベルと体感の齟齬
早朝から授業の概要や寮のルール、ファシリティに関する説明のレクリエーションを受けたのち早速授業が始まる。フィリピンにある多くの語学学校が到着初日を新入生レベル分けのためのテスト受験に充てていると聞くが、ここでは申し込み時にヒアリングを行い予習に使う教材の指定、事前学習の進め方に関するアドバイスがあるので、レベルはすでに確定している。
クラスは初心者レベルから中上級レベルまで細かく分かれており、現時点では70数名いる留学生の多くが初~中級らしいレベル3,4に属している。私は中級?のレベル6に配置されたが、体感としては3か4くらいなのではないかと思う。さすがに講師との会話は成立するがボキャブラリーが貧困すぎててんでお話にならない。ちょっと狡猾な園児レベルである。
そして、自分がいつまでたっても英語を満足に話せない理由が明確になる。いや、これはずっと前からわかっていたことなのだけど、ここへきて改めて痛感する。受講前の状態を残しておきましょうという目的で撮影された自己紹介ムービーで、
「あなたの夢はなんですか?」
という質問に対して
「夢などない」
と身も蓋もない発言をしてしまう私。あのさ、別にこういうのはなんでもいいからそれらしいこと言うとかしたほうがいいんだって、と後から思う。大事なのは私の夢の内容がどんなものかではなく、とにかく話すこと。
そう、母語でもうまくコミュニケーションが取れない人間が、馴染みのない外国語をうまく話せるはずがないのだ。
ああ、なんたる不覚。夢も希望もありゃしない。しかし今私の目の前には必要最低限のものだけが配置された質素な部屋で、ただただ勉強をすればよいというとてつもなく贅沢な時間が横たわっている。
つづく。
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