放置するか、克服するか、それとも。
最近なぜか就職、転職に関する相談を受けることが増えました。
わたくし、その昔採用業務に携わっていたことがあるにはあるのですが、まともな企業でのそれではないし(失礼)、そもそも普通の会社での真っ当な社会人経験がない私に相談して得るのもはあるのでしょうか。
などと戸惑いつつ話を聞いてみると、彼らの相談というのは会社選びについてとか面接がどうのとか条件交渉のノウハウが知りたいみたいなことではなく、それよりずっと手前のことでした。
なんだ、じゃあ聞きますよ。
思いを言葉にできなくて
相談内容を簡単にまとめると
「その企業で仕事をしたい理由や動機、溢れんばかりの思いがあるにはあるが、それを言葉にできなくて悩んでいる」
というものでした。
最近は中途採用のエントリーもWebで完結するパターンが多く、そこには
「志望動機を1,500文字以内でご記入ください」
みたいなフォームがあるのですね。もちろん、入力はプレーンテキストにて。
言いたいことは山ほどあるが、文字数制限を設けられるとどうにもうまく収められず、簡潔にまとめようとすると大事な部分が抜け落ちてテンプレ的文章に陥ってしまう。ああでもないこうでもないと悩み続けるうちにもう応募するのをやめようかとさえ思い始めた、などと言いだす始末。
おーい、そりゃさすがにもったいないでしょ。
しかし社内文書やらメールみたいに日常的に書き慣れている文章は別として、一生のうちに数回しか書かないであろう中途採用における志望動機。もともと書くことが苦手な友人が悩むのも無理はないかもしれません。
弱点を放置するか、克服するか、それとも
それでは僭越ながらわたくしがヒアリングを行い策を練るといたしましょう、と話を聞いてみれば、出るわ出るわ、ナイスエピソードの連続。私にしてみれば、ええ、そんなお宝持ってるのに使わないつもり?という感じだったので、ほんのちょっとだけ構成のアドバイス(というほどのものではないが)をして、無事目的の文章は仕上がったのでした。
文章を書く、また、自分の考えや思いを言葉にするという行為を普通にやってのける人からすれば、志望動機も書けないなんて大丈夫?てなもんでしょうが、誰もが得意分野と不得手な何かを持ち合わせている。私だって文章を書くのは苦手じゃないけど悪筆だししゃべれないし、ネゴ的なアレはかなり不得意。
しかしある程度の年になったら、生活に支障ない程度の弱点はもう放置でいいかしら、と個人的には思っています。
長所に注力したところで、伸びしろが残っているのかという疑問はさておき、「苦手」を「普通」程度にすることに費やす時間がもったいないかなあと。
苦手をどうしても放置できないとなれば、努力して克服するしかない。と見せかけて、実は発想を変える、という選択肢もアリだなあと気づく。
関連 靴下が片方ない(怒)
普段は特に困らない弱点であれば、必要に迫られた場合のみ誰かに助けてもらうとか、それこそお金で解決するという方法もあるわけで。
今回みたいに、相談すれば手を貸してくれる人がいるのは本人がこれまでに築いてきた立派な財産、活用しない手はないでしょう。まあ相談相手が私ってところがトホホでその点は申し訳ないけども、なんでもかんでもひとりで抱え込まず、使えるものは朗らかに使う柔軟さも必要だなと感じた次第です。
もちろん、最も有効な手立ては苦手や弱点をカバーするベストな方法を瞬時に見極める能力を身につけること、なんだろうけど。
私も社会生活に支障をきたすかきたさないかギリギリラインの弱点を数多く持っており、それでもここ数年は騙し騙しやってきました。しかしこれ、どうにかしたほうがいろいろ捗るんじゃないかと最近また思い始めている。
どうシミュレーションしてみても努力で克服、は難しそう。ならば発想の転換が必要か。
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