面と向かってバカと言う。
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最終更新日:2019/07/14
生き方と考え方
超のつく美少女に尽くしまくったという若かりし日の男の話を聞く。
ここでの「尽くす」は、主に金銭的な意味合いです。
会うたびに数万、数十万するブランドバッグやアクセサリーやらをプレゼントする作戦を延々続けること1年間。とうとう彼女はその熱意に打たれて振り向いてくれました。
が、憧れの美女の気持ちが手に入った途端、彼の想いはすっかり醒めてしまったのでした。
面と向かってバカと言う
バカだね。
本人はそれで楽しかっただろうし、彼女のほうもいろいろ儲かった上にいい気分になれてよかったけど、まあバカだわ。若さってのはバカをやらかす貴重な期間ではあるけれど、そりゃ相手のことが好きなんじゃなくて、尽くしたり追いかけたリする自分の努力に酔いしれてるだけでしょう。
バカだバカだと見知らぬ誰かを罵っているつもりでいたら、なんとこれ、語ってくれた本人の昔話だというじゃないですか。ああもう、それを先に言え。面と向かって人様にバカバカ言っちゃったじゃないか。
本当に欲しいものが何なのかよくわからなくなることは、多々あります。気が変わることだって当然ある。
この男性も最初は彼女のことが本当に好きだったんだろうけど、そのうち頑張る自分に酔いしれてしまって、可愛い彼女<頑張るカッコイイ俺 になってしまったのではないでしょうか。よくある話です。
バカに共感できないわけじゃない
変わるのは悪いことじゃないし、そりゃ何十年も生きてりゃ時代も環境も変わるんだから、心境だって変わるのは当然。すっかり気が変わったけれど一度決めたらやり通さねば。なんて、自分の心変わりを責めて苦しむよりは、潔く認めてすっぱり方向転換した方がうまくいくこともある。
彼のパターンは単なる若気の至りというかねじ曲がった武勇伝くらいにしか思わないけれど(ごめん)、共感できないわけじゃない。多分あれでしょ、ご馳走をたらふく食べてお腹がくるしい時よりも、空腹時にさて何を食べようかとあれこれ考えているときの方が幸せ。っていう、あの感覚なのかなって。前にも似たようなこと書いたっけ。
考えているときのほうが、想像の中の方が、過程の方が、楽しい。じゃあ夢を叶えるとか理想を実現すること自体は、さほど大きな意味をなさなくなるのか。ていうか、もはやどっちもおもしろいのか。
あったらあったで、ないならないで。叶っても叶ってなくてもどっちどっちで結構めでたい。その程度の雑な感覚を身につけると、心に平和が訪れるのかもしれません。
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