同郷のべっぴんさんとカウンターで。
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日常
仕事帰り。
一駅手前で降りて刺身の旨い店で熱燗をやるか、そこからさらに歩いて久しぶりにカウンターのイタリアンに出向くか。もしくは一駅向こうまで行って、てんぷらという手もある。いや、今夜は冷えそうだからおとなしく最寄駅下車して、大衆居酒屋で一人鍋にするか・・・。
休前日の帰路はこういうことばかり考えていてかなり頭を使う。猶予はせいぜい20分。その間に今日の気分にぴたりとハマるプランを選択せねばならない。ぼーっと電車に揺られているわけではないのだ。
結局最寄駅で下車し、居酒屋に向かう。かと思いきや、なぜか1駅歩いててんぷら屋を目指す。しかし迷いがある時はうまくいかないのが世の常で、目当ての店は満席。ほど近い立ち飲み屋でとりあえず生ビールとおひたしをオーダーし、この先の戦略を考えることにした。
最近、梯子酒好きに拍車がかかっている。
以前から一箇所に長時間居座るタイプの酒飲みではなかったけれど、近頃は1杯飲んだらはい次、みたいな行動が当たり前になっていて、当然それが似合う店ばかりを選んでしまう。
ビール飲み終えたら、駅前のもつ焼き屋に移動して、チューハイと串を何本かもらおう。そのあと、蕎麦でも手繰って帰ろう。そう思っていたのに、隣席にいた若い女の子がつまんでいたチャーシューが旨そうでつい真似して頼んでしまう。当然、酒も追加。
真似っこオーダーがバレたのか。隣のキレイなお嬢さんに「観光ですか?」と話しかけられる。いや、近所の者だと答えると、自分はこの春から就職が決まっている大学4年生で、遊ぶなら今のうちだと思い東京一人旅に来た、と話してくれた。そのイントネーションからもしやと尋ねてみるとやはり同郷。しかも、このべっぴんさん、私の両親と同じ地域に住んでいるという。
え、今は地元を出る気ぜんぜんありませんよ。だってあそこって、めちゃくちゃ住みやすいじゃないですか。大きくもなく、小さくもなく、ちょうどいい。
わかる、わかるなあ、その気持ち。私も20代半ばまでは自分が地元以外の場所で生きることなんてまったく想像していなかったもの。そうそう、あそこは何もかもがちょうどいい。
なのになんで、今東京にいるんですか?
ことの経緯を説明しているうちにグラスが空き、じゃあお嬢さん、東京一人旅楽しんでね。ヘンな人について行っちゃダメよ、といい残して店を出る。
ちょっと気の利く大人ならこういう時、同郷のお嬢さんを誘ってもう1軒、東京旅行の思い出になるような場所に連れて行ってあげるのだろうか。おじさんよりおばさんのほうが、お嬢さんも親御さんも多少は安心だろうし、それができるのがおばさんの特権なのに。しかし自ら「ヘンな人についていくな」って注意してるし、私がそうじゃない保証は一切ないし、そんなドラマみたいな展開そうそうないか。いずれにせよ相変わらずのセンスのなさ、というか、対人能力の低さを嘆きながら、なぜかそばじゃなくてナポリタンでしめて帰宅。
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Comment
こんばんは。
若い子と話した後って
不思議とそういうコト起きますよ!
蕎麦じゃなくてナポリタン選んだり…。
「そうそうそう!!」と思って
興奮気味にコメントしています。
神戸、いいですよね。
私は主人の転勤で東灘区に7年住みました。
今は水戸。4月からは浦安です。
転勤の時期が近づくと「次こそは神戸!」と
願うこともう6年です。
MONAさん
なるほど、そこは気づいてませんでした!確かに若いエキス(言い方・・・)に触れて気分が和から洋へ、漢字からカタカナへと変わったのかも。とはいえ、選んだのが昭和味ナポリタンというところがアレですが。
東灘とはまたいいところにお住まいだったのですね。私も東エリアっ子だったので、また住みたいという声を聞くのはなんだかうれしいです。
ところで転居やお子様の学校の件、いろいろ大変な時期かと存じます。ご自分を甘やかすことは難しくとも、どうか無理はなさいませんよう。こっそりと応援しております!