よその子を勝手に可哀想がるの謎。

By: Joel Kramer
子供の頃、変身もののアニメをよく見ていました。
変身もの、といっても戦隊系とか薬系(exメルモちゃん)ではなく、テクマクマヤコンアッコちゃん的なグッズ系。もうタイトルもヒロインの顔も思い出せないのですが、なんかこうステッキ風な何かを使って変身して大活躍、とかそういうありがちなストーリーだった気がします。
まあ昭和後期にはこの系統の子供向けアニメは腐るほどありましたからね。というか、今でも似たようなストーリーのものはあるんでしょう、現代風にアレンジはされているだろうけど。
さて、こういうお話に夢中になれば当然、そのステッキ風な何かが欲しくなるのが女児の性。子crispyも例外ではなくその魔法のステッキを所望したものです。
もちろんちゃんとその時間帯に流れてましたよ、タカラかどっかが作ったおもちゃのステッキのCMが。よっ、この商売上手!
モノにこだわらずに本来の欲望を満たす
魔法のステッキ、超クール!
アニメとCMにすっかり洗脳された幼き私はある日の放送終了後、ステッキの材料を集めはじめました。
そう、ステッキを自作するためです。
憧れのヒロインの持ち物に限りなく近いアレを手に入れたいのであれば、確かな方法はタカラ製品を入手すること。まだ自分の稼ぎのない幼児には親にねだって買ってもらう以外の方法はありません。
が、私はねだらなかった。そしてタカラにはこだわらなかった。
おそらくねだっても買ってもらえないとわかっていたからだけでなく、既製品を購入せずとも自分の欲望は満たせるのではないか、という予感があったのです。
そう、私が欲しいのはタカラ製ステッキそのものではなく、ステッキを華麗に振るって変身し東奔西走して活躍するヒロインになりきるプレイ。大事なのはプロダクトの完成度よりも私の想像力と演技力。ステッキはあくまでもプレイを彩る小道具に過ぎないのです。
などという理屈っぽいことを3歳かそこらでこねくりまわしていたわけではありませんが、なんとなく近いことは考えたなあと今突然思い出しました。なんでこんなこと急に思い出したんだろう。走馬灯か?
結局ダンボールと色紙とサインペンと輪ゴムなどの厳選素材を駆使して自作したステッキはそれはそれはお粗末な出来栄えでした。でも、そんなことはどうでもよく、輪ゴムを利用してステッキの先がくるくる回るそれっぽさを演出できただけで私は満足したのです。まあ、その遊びにはすぐ飽きちゃったんだけど。
よその子を勝手にかわいそうがるの謎
「ものやおもちゃがないと子供の好奇心が育たない」
「欲しいものを買ってもらえない子はかわいそう」
などという意見を時々目にしますが、なけりゃないでどうしたら楽しくなるか必死で考えるくらいの想像力も創造力も子供は兼ね備えているのでさほど深刻になって論じるべきポイントではないかな、という気がします。
関連 靴下が片方ない(怒)
これはあくまで自分の体験に基づく考えではありますが、今の子だって同じようなものでしょう。友達の子供にダンボールや粘土で自作したおもちゃを自慢げに見せられたことは一度や二度ではありません。
やっぱり今の子も作るんですよ、魔法のステッキとか、光る時計とか、変身ベルトとか。まあ自作グッズの見た目はそうとうアレですけども、彼らの好奇心や創造力はガンガン育っているし、ないことで培う創意工夫の過程もなかなか興味深い。
何が言いたいのかというと、ほんの一部分だけ切り取られた情報から妄想を膨らませて、すくすくガンガン成長中の人さまの子供に対して
「かわいそう」
なんて勝手な判断をするのはなんかズレてるし失礼極まりないよね、という話。
子供のいないおまえが偉そうに子供について語るなとお叱りを受けそうだしそれはごもっともですごめんなさいなんだけど、やたらと人のこと、特に子供のことを勝手にかわいそうがるのって妙な行為だと思うのです。私は彼らの強さと賢さと未来を信じるよ。
関連 成功体験は、作れる。
ああまた最初に考えていた内容と違うところに着地してしまった。
もしも私が画家とか芸術家とかクリエーターとかデザイナーとかそういう職についていたら、ダンボール製ステッキの下りも俄然夢あるストーリーなのですがそちら方面の才能は未だ開花せず。
なんだなんだ、それじゃただの貧乏昔話じゃないかって?
いやいや、方法はどうであれ楽しい人生を送る前のめりの姿勢は魔法のステッキを自作して養ったんですよ、というオチで何卒。
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Comment
>ああまた最初に考えていた内容と違うとことに着地してしまった。
これが見たくてブログ見てる読者は多いと思いますよ。
俺もその一人ですw
カワさん
!!
いやいや、そんな方はほとんどおられないでしょう、カワさんがレア人材すぎます。
でもそんな風に読んでいただいているのは妙に嬉しいです。
ありがとうございます。