まずはモノを減らせ、は万能ではない。

公開日: : ミニマルライフ

NY ホテルエジソン ツインルーム

「部屋、キレイでしょ」

思わずそう口に出していました。

「うん、まあ」

控えめながらもきっぱりと肯定したのは友人K。私はKの部屋に行ったことはありませんが、ホテルの部屋でスーツケースの荷物を扱う様子を見ていてこれは間違いなかろうと感じたのです。

モノは多くても整った部屋

ミニマリストのクローゼット

ホテルでの過ごし方というのはなかなかにその人の本質というか普段の暮らしぶりやら行動パターンが如実に現れるもので、整理整頓が苦手だけれど旅の間だけはすっきりとスマートに、なんてことはまずありません。もちろん普段より持ち物が少ない分管理がラクにはなっても、本質的に散らかしたい人はモノが多かろうが少なかろうがそれに応じた散らかし方をするものです。

などとわかったような口をきいているのはこれまでに多くの人の旅スタイルを見てきたから。同じ広さの部屋に同じ泊数滞在するという同条件下においても人が違えばこんなにも過ごし方、使い方に差が出るのかと驚愕した経験は一度や二度ではありません。

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今回の旅で同室だったKが持参したスーツケースは私の倍量は入りそうな100L超の超大型。その中に整然と詰め込まれた荷物を全く散らかすことなく美しく扱うKを見て冒頭の言葉が出たのでした。

「部屋が男っぽいねってよく言われる」

そう言いながらスマホで撮った自室の写真を差し出したK。そこにはカリモクのソファとテーブルを中心に色味を抑えたシックな部屋の様子が映っていました。奥にちらりと見えている本棚は大きさとおそらくジャンル別に美しく分類されている模様。

「買い物好きなのにねえ」
「そうなの、ちまちま買うわりになぜだか部屋は常にこんな感じなの」

今回の旅行でも服やら鞄やら雑貨やらなんだかんだとたくさん買い物をしていた彼女。お土産も大量に購入しており全部入るかなあなどと言いつつも荷物の配置を再構築しつつ全てのアイテムをスーツケースにするすると収めていくのでした。

いやー素晴らしい。そして、羨ましい。

まずは荷物を減らせ、は万能ではない

tainan-hotel10

整理整頓及び空間管理能力に乏しい人間がすっきりと暮らす最も効果的な手段は持ち物を減らすこと。

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でもKのようにモノをたくさん持っていてもすっきりセンス良く部屋を整えられる人もいるのだから、「モノを減らす」 は必ずしも万人に共通の特効薬ではないのだなと改めて感じた次第です。

さらに驚くのはKがその美しい部屋に10年近くも住んでいる事実。私のようにフラフラ引越しを繰り返して辛うじて部屋を整えているのとは根本的に異なり、きちんとした人は環境がどうであれ美しい部屋を作り出せるのだなと唸ってしてしまったのでした。

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そしておそらくKは本当にモノを大切にする人なんだろうな、とも。

モノを愛する人の部屋は美しい説

読書や映画、スポーツに旅行など趣味が多くいつだって最新の情報を仕入れている労力を惜しまない彼女。

買い物も多いけどそれは闇雲に買っているわけではなく、自分に必要なモノ、似合うモノ、長く愛用できるモノは何かをきちんとわかっていて尚且つそれらの数が多くても管理できる能力があるからこその整った暮らし。そしてその能力は生まれ持った才能かもしれないし、モノが好きだからこそ努力を重ねて経験してきた学びの結晶なのかもしれなくて、好奇心旺盛で多趣味な彼女を見ているとおそらく後者ではないかな、と感じるのです。

たくさんのモノたちと美しく共存するための努力と生き方、それを継続できるモノへの深い愛情。私の勝手な想像に過ぎないけれど、そういう積み重ねができる人ってなんかいいなあと。

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人の部屋や暮らし、そこに至るまでの経緯を勝手に妄想してこっそりと前よりも好きになったりしてみるとはまあなんとも気味の悪い私です。

モノがないだけ、個性なき部屋の味気なさ

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そんなキモい私にKが問う。

「あれ、crispyさんってアパレル販売員経験あったっけ?」
「いや、服はないよ」
「じゃあ部屋、キレイでしょ。だってそのぴっちり揃ったたたみ方」

ちまちまと同じ大きさに畳んだ服をKに指差されて、そういや昔はこんなことしなかったな、と気付く。

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これはここ数年で私が身につけた数少ない新しいスキルなのだ、と自分の小さな成長を密かに喜ぶ。私だって暮らしを改善すべく多少の努力をし、それがこうして実を結んでいるではないか、なんて。

「うーん、キレイというか、私の場合単にモノが少ないだけだね」
「部屋どんな感じ?男っぽい?」
「いや、ここ病室?って言われたことある」
「病室?」
「病室」

モノを持たずに身軽に暮らす

40余年も生きているのに病室のように無味無臭で個性のない空間しか作れないとはいと哀し、これも放浪癖の弊害か。

管理能力のなさは如何ともしがたい事実としても、生活感は出ずとも自分らしい温かみやセンスに溢れたKのような部屋作りができるのが理想だよなあ。そう考えながら畳んだ服をこれまたちまちまとスーツケースに詰め込んだのでした。

 




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