しなかった、できなかったことで得たもの。
たとえ襟足を刈り上げたとしても、3ヶ月も経過すれば結べる長さになる。つまり、失敗しても時が必ず解決してくれる。これが私が髪型をコロコロ変える理由であります。
いい感じの長さになってきたので、しばらくはこの重めのボブを楽しみたい。そんな思いとは裏腹に長さよりも多さ問題がのしかかる。
日に日に増える毛量、比例して伸びるドライヤー時間に疲れ果て、結局カットに向かったのでした。
カット、それは庭仕事
私のヘアカットとは髪型を変えるためでも、長さを切り揃えるためでもなく、毛量を調節することこそが真の目的なのではないか。40を過ぎてその事実にようやく気がつきました。毎度お任せしているスタイリスト氏ももちろん、それを承知している。
氏のミッションはヘアカットではなく庭仕事。ぼうぼうに生い茂った荒地を整備するかのごとく、我が多毛と格闘していただいている次第です。
今回も依頼した雑草むしり取り作業。完了後に
「髪、ずっと変わらず健康でキレイですね」
とお褒めの言葉をいただきました。
しなかった、できなかったことで得たもの
敏感すぎて手のかかる肌とは対照的に、幼少の頃から強くたくましく、そして成長も早かった我が毛髪。 それゆえ、どうしても放置気味な存在ではありました。最低限の洗髪やケアはしてきたものの、強く、美しく見せる工夫や努力の類は肌に全振りで、さほど構ってはもらえない不憫な子、もとい髪だったかもしれません。
その上、肌が弱いからという理由で90年代カラーリング全盛期でさえカラーを楽しめず。いや、何回か染めたことはあるけれど、長くは続けられない体質であると悟り、カラーリング戦線から早期離脱したのです。当然、地色歴が相当長い。
「結果、それがよかったのかもですよ。パーマやカラーを頻繁に繰り返していたら、今この年齢でこの健康な髪は保てなかったかもしれないですから」
氏の言葉に、なるほどそうかもしれんと頷く。
しなかった、できなかったからこそ得たもの。これは髪の話に限ったことではない。対人能力が低いせいで友達100人はできなかったけれど、その分孤独に強く一人を楽しめる能力を得た。飽きっぽく、何事も続かない性分だからこそ、安定しない生活や変化に強いメンタルを育めた。
そう考えれば、世の中は案外うまくできている、のか。
褒めるところのない人はとりあえず髪でも褒めとけ論の存在は重々承知しているけれど、褒め言葉は素直に受け取り、そしてよろこぶおめでたさ。これもまた、馬鹿だからこそ得られたもの、と言えるでしょう。
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