服を減らし始めたファッショニスタたち。

公開日: : 最終更新日:2016/09/14 ファッション, ミニマルライフ

 

先日友人がSNSにUPしたポストに少々驚きました。

「今年こそはモノを減らして、シンプルに暮らしたいと思います」

これ、別になんてことない新年らしい投稿ですよね。

が、私が驚いたのはこれを書いた女性は本職のファッション業界人だったということ。
服やバッグやアクセサリー、とにかく旬のファッションアイテムをたくさん持つことも彼女の仕事の一部だったからなのです。

ファッショニスタたちが服を減らしはじめた

彼女は長くファッション業界に身を置いており、ご自身もかなりのおしゃれさん。
といっても誰もが知っているハイブランドやトレンドのアイテムでガチガチに固めるようなスタイルではなく、時代感を程よく取り入れた個性的な着こなしを得意とするタイプ。まだ日本では無名の海外若手クリエーターを発掘しては日本市場に持ち込むといった活動もされています。私もファッションに関しては彼女からいろんなことを教わってきました。

そんな彼女のお部屋もオフィスもそれはそれはスタイリッシュ。
彼女のセンスはファッションアイテムのみならずインテリアにも活かされていていろんな国から買い付けたおもちゃや剥製など一見ガラクタになりそうな不思議グッズまでもが素敵なアクセントになっていて

「センスがある人の家は例えモノが多くてもこんなにおしゃれなんだな」

といたく感心したものです。

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うーん、羨ましい。
もともとファッションやデザイン、インテリアに関する素養が違うので当たり前といえばそれまでなのですが、私も彼女のようなセンスとモノを活かせる技術があればもっと素敵なモノをたくさん持つ生活ができていたかもしれません。

ところが彼女は年明けからこれまで時間をかけて集めてきたコレクションを手放すべく、フリーマケットに出店したりフリマアプリに出品したりの作業で忙しいと言います。

彼女の愛するアイテムたちは決してわかりやすいものではないので、ブランド買取サイトなどでサクッと売れるようなものではありません。日本では知られていないブランドやデザイナー個人が細々と制作している一点もののアクセサリーなどがほとんどなので、おそらく買取関連業界にはその価値を正しく査定できる人はいないでしょう。

然し乍らそこは根っからのファッショニスタの彼女のこと。フリマも単なる不用品処理ではなく、限られたスペースのブースできっちりと独自の世界観を作って手放す作業すらも楽しんでいるようです。さすが。

でも、なぜお気に入りのアイテムをごっそり手放す気になったのでしょうか。

ファッションともっと深く関わるためのシンプル計画

そういえば以前、彼女は自分の仕事と好きなこと、そして本当に実現したいライフスタイルの間に生じるギャップに悩むことがある、と話してくれました。

自分はファッションが好きだし誇りを持って仕事をしている。けれど、この業界で食べていく以上は自分が本質的には納得できないやり方に乗っかって単に商業的なスタンスで洋服と向き合わなければいけない場面も多い。もちろん仕事なのだから個人的な趣向ばかりを押し通すことはすべきでないけれど、自分の信念に逆らってまで仕事をする必要があるのだろうか。

時々ふっとそんな風に考えてしまうことがあるのだ、と。

あれから数年、何か心境の変化があったのか、はたまた仕事で何かあったのか。
モノを減らす、と言ってもスタイリッシュな暮らしを愛する彼女のこと、別に家をがらんどうにして段ボール箱の上でご飯を食べるような生活を選んだわけではないでしょう。
けれど、山のように溢れる洋服やファッションアイテムに囲まれて過ごしてきた時代に一旦別れを告げ、今の彼女にとっての「適正量」のみを手元において暮らすスタイルに舵を切ったのは事実のようです。

彼女だけでなく、ファッション業界に身を置いている人たちは仕事柄洋服をたくさん持つのが当然であり、それ自体が仕事の一部であることも事実。けれど、最近ではスタイリストやファッションエディター、モデルなど本職の業界人までもが持たないスタイルについて言及し始めています。

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もちろん減らしたい人ばかりではないし少ないことは正解でもなんでもありませんが、洋服を売る側の人々も単にトレンドを作ってそれに追随した使い捨ての洋服を提案し続けるような行為に疲れてしまい、もっと広義でファッションと関わりたくなってきた証なのかも、なんて勝手に推測したり。

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私たちの年代で本当におしゃれな人は服もひっくるめて生活、生き方、存在そのものが惚れ惚れするほどカッコいいもんね。おしゃれであることと持っているアイテムの多さは必ずしもイコールではない。

ミニマリストの持たない暮らし

件の彼女の事情はまだ直接は聞いていませんが、今度会ったら減らすに至った心境やこれからのファッションのこと、質問してみよう。おしゃれの定義やスタイル、時代感、そして持ち物の数が変わったとしても、装うことでこそ実現できる楽しさってあるもんね。

 




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