携帯電話やパソコンの画面を覗き込むのはマナー違反?

公開日: : 最終更新日:2015/10/14 生き方と考え方

先日気分転換に外で作業をしようと某コーヒーショップにパソコンを持ち込んで書き物をしていました。

そこは大手チェーン店で、パソコンややスマホの充電用の電源が使える席がたくさん準備されているからか、いつもノマドワーカーや外回りの営業職風のビジネスパーソンで賑わっています。

そして場所柄なのか時代なのか、恐らく毎日の日課としてコーヒーとご近所さんとの会話を楽しみに通っているお年寄りの姿も少なくありません。

その日もたまたま常連らしき高齢男性が私の隣に座りました。

年の頃なら70代半ば。私の両親と同年代といったところでしょうか。男性が座ってからも暫くは気にも留めずに書き物をしていたのですが、視線を感じてふと横を見ると男性が私のパソコンの画面を凝視しているではありませんか。

 

携帯やパソコンの画面を覗き見るのはマナー違反?

チラ見、とかじゃなくて、まるで会社の同僚と画面を見ながらプロジェクトに関する打ち合わせをしているかのごとく身を乗り出しての凝視。これにはさすがに驚きました。

電車の中で他人の読んでいる本や新聞、携帯を覗き込むのはマナー違反か否か、という論議はネット上でもよく目にします。

参考 メールの覗き見、気にならない?(大手小町)

↑いやいや、スカートの中はだめでしょう。

とにかくこんな風にガン見されるのも珍しいことではありますが、パソコン持ち込み自体は禁じられていない店とはいえ、他人に作業内容を覗かれる可能性はゼロではありません。人目のある場所でパソコンを広げるならばそれなりの覚悟は必要というものです。

その時の私は機密書類を開いているわけでもなんでもなかったのですがさすがにそんな状況で書き物をするのは憚られたので、男性の興味が薄れるまで休憩するか、と

「どうでもいいことしてますよ」

アピールとして漫画の画面に切り替えて読み始めました。

が、これがかえって逆効果。私が漫画を読み始めたことで男性のパソコンへの興味はさらに増し、

「おねえさん、その漫画を読むのはお金がかかるのかい??」

と、ずっと画面を覗いていたことを特段隠そうともせずに気さくに話しかけてきたのです。THE・無邪気

 

どこかで感じたことのある無邪気さ

恐らく20代の頃の私だったならそんな悪びれない態度に腹を立てて刺々しく

「ちょっと、勝手に覗くのやめてもらえません?」

とかなんとか言ってぷんすか席を立ったことでしょう。何しろ昔は自分の立場ばかり主張してしょっちゅう見知らぬ人と言い争いをする血の気の多い若者だったので。

さすがに今はそんなこともなく苦笑しつつも

「お金かかるのもあるけどね、これは無料のやつですよ」

と答えると、男性はへー、すごいもんだねえとかなんとかいいながら他の常連ご近所友達に

「漫画もタダで読めるんだってさ」

と自慢気に解説を始めました。
やれやれ。

その後もパソコンに興味津々の男性はパソコンや通信に関する疑問を次々に投げかけてきます。

男性と同年代である私の父もパソコンや携帯は持っていませんが、元々機械好きで壊れた家電製品をなんでも自力で修理してしまうような人。帰省するたびに私のパソコンやスマホ、デジカメを楽しそうにあれこれいじっては質問を繰り返すのでこの手の質問に対する対応にはまあ慣れっこといえば慣れっこです。

が、父を思い出したのと同時にこの感覚何かに似てる…と、暫く考えていて

「ああ、小さな子供に質問攻めに合うあの感じだ」

と思い当たりました。

大人として成熟する年代は

年齢を重ねても尚好奇心を失わない人は、自分にとって未知の世界が目の前に広がっていたらこれなに、あれなに、どうするの?と子供のように次々と質問することに躊躇がないのかもしれません。
人生の大先輩である高齢者を幼児扱いするつもりはさらさらありませんが、ある一定の年齢以上になると子供のような純粋さや真っ直ぐさが戻って来るのではないかとも思えるのです。

一体いくつになったらそんな変化が訪れるのかは人によるのだろうし、もしかしたらそんな変化は全くないのかもしれませんが、万が一人生の終盤は再び子供の頃のような感覚が戻るのだと仮定するならば、「大人」として完全に成熟するのは40代?50代?それとも、もっと先?
いずれにしても、私の年代ならばもうそろそろピークを迎える頃だと覚悟するべきなのでしょう。

さて私は自分が満足できるような人生の「大人ピーク」に無事到達できるのでしょうか。なんだかまだまだ未熟な気がするし、もっともっと大人として成長しなければいけないような気がするけれど。

「俺の友達の孫が携帯でエッチなヤツみてたらしくて、ものすごい金額請求されたってよ」

「ああー、そういう問題多いですからねえ」

「ところでおねえさんのそれでもエッチなやつは見れるのかい?」

「まあ見ようと思えば、そういうサイトはたくさんあるから」

そんな会話をした後で男性はまた店内に点々と座っているご近所友達に

「おねえさんのこれ、エッチなやつ映るんだってよ!!」

と大声でアナウンスを始めたのでした。

いや、そんなキラキラした目で一斉にこっち向かれても、今は何にも見てないからね?

 




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Comment

  1. 匿名 より:

    偶然の出会いや寄り道も人生だなあと感じました
    気まぐれで立ち寄らなかったら起こり得なかったことですからね

    • crispy-life より:

      匿名さん

      コメントありがとうございます。

      そうですね、寄り道もまた人生。
      毎日同じ事を繰り返しているように思えても、実はいつも違った出来事に遭遇しているわけで。

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