プチプラファッションだけが負の連鎖の元凶か。

公開日: : 最終更新日:2016/10/19 ファッション, ミニマルライフ

本当に必要なものだけを所有して大切に長く使う。モノを使い捨てにはしたくない。
好きな洋服に関してはなおのこと。

基本的にそんな風に考えているし、常に新しいものばかりに目を奪われるようなこともなくなったけれど、それでも

「一生もの」

も信じていなくて。

長く続く老舗ブランドの定番アイテムであれば間違いなく安心だから、なんて単純には考えられないのです。




ザ・トゥルー・コスト ファストファッション真の代償

By: Xavier

「気軽に旬のコーディネイトをあれこれ試せるファストファッションは既に私たちの生活にすっかり浸透しているけれど、なぜこんな価格で衣類が売られているのか、そのカラクリはどうなっているのかをもっと真剣に考えようと思いました。」

なんて単純な感想を書けたらよかったのだけれど。

そう、映画「ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~」の話です。

参考 ザ・トゥルー・コスト ファストファッション真の代償

華やかなファッションの裏側、知られざる真実とは?
これは衣服に関する物語で、私たちが着る服や衣服をつくる人々、そしてアパレル産業が世界に与える影響の物語だ。これは貪欲さと恐怖、そして権力と貧困の物語でもある。全世界へと広がっている複雑な問題だが、私たちが普段身に着けている服についてのシンプルな物語でもある。

ファストファッションブランド製品の生産現場に踏み込んだドキュメンタリー。

バングラデシュの縫製工場ビルの倒壊事故の様子や工場が原因となる環境汚染問題、カンボジアで起きた縫製労働者のデモを政府が武力弾圧するシーン、そして先進国からの「寄付」と称して毎週のように「送りつけられる」到底活用できない大量の古着の山の前に立ち尽くす人々など、かなりショッキングなシーンが次々と映し出されます。

このドキュメンタリーはファッション業界に特化したものなので基本的には

「ファストファッションブランドの問題」

として描かれているけれど、おそらく高級ブランドでも似た状況はいくらでもあるだろうし何もファッション業界だけの話でもない。さらには安い労働力を活用しようとする先進国だけの問題ではなく、安い仕事を大量に請け負う国のシステム自体の問題だってあるし、ファストファッション業界が一斉に撤退したら現在業界に従事している4,000万人の雇用はどうなるの?とか。

だからファストファッションは買わずに信頼できるブランドを選びましょう、なんて単純なことでは全くなく。そもそもフェアトレード製品と謳われるそれだってどんな環境から生まれたのか本当のところはわかりっこありません。
なんてちょっと嫌な考え方ですが、もしも誰もが本当のところを正確に知ることができるのなら、遠くの誰かの犠牲の上に成り立っているような産業や製品を多くの人々が喜んで支持することなど最初から有り得ないのでは。

誰も得しない、誰も幸せにならない

こういうテーマになるとじゃあ自分には何ができるのか、という問いが生まれるのが常ですが、直接的には残念ながら何もできないと感じます。

そして環境汚染が引き起こした健康被害や劣悪な環境で起こった事故の犠牲になった人々に対する哀悼の気持ちはあるにせよ、そこで今日も生きている人々を勝手に不幸、気の毒と決めつけることもできないのです。

正直なところこの映画の

「トレンドはエシカル&フェアトレード・ファッション」

というコピーにも違和感が残ります。もちろん、言わんとしていることは十分にわかりますが。

ただ、おそらく間違いないのは行き過ぎた物質主義は長期的に見て誰も何も得しない、ということ。

ファストファッションの問題も把握してるしフェアトレードの重要性もわかるけどそんな洋服は高くて手が出せないもの。
じゃあなに?余裕のない層はおしゃれなんてするな、諦めろって?

世界的に見れば驚くほど豊かな日本でさえそんな意見が出るかもしれません。
一人娘を郊外に預けてまで低賃金の工場勤務を続けるダッカの若い母親と比べたら、収入の殆どが保育園代に消えていく日本の生活のほうがまだマシでしょ?なんて比べるものでもないでしょう。

特に必要でもないすぐに捨てられるものを作る「仕事」のために貴重な人生の時間を費やし、コストのために環境を破壊して、人々は疲弊し、企業は非難され、それでもシステムはなかなか変わらない。

衣服の海外生産率 97%
米国だけで年間1100万トン以上もの衣類ゴミ
綿の90%以上が遺伝子組み換え
グローバルファッションブランドは3兆ドル産業

誰も得しなければ幸せにもならないことを、きっとみんなわかっているのに何故だか今日もせっせと続けている。

関連 「もう十分豊かな時代なのだから、必死に働かなくてもいいのでは」

この問題に対して自分にできることは今すぐには思いつかないけれど、あれも欲しい、これも欲しい、あれが手に入れば幸せになれるのに、なんて絵空事に惑わされずに自分が幸せや喜びを感じるために本当に必要な(多分そんなには多くないであろう)ものは何なのかを理解することこそが重要なのでは。

と、やっぱりそこに行き着いてしまうのです。だっておそらく

「よっしゃー、弱者を搾取してガッバガッバ儲けたるでえ〜」

なんて邪な信念を持って誰もがビジネスを始めるのではないし、そこに本質的な幸せではないでしょうから。

ミニマリストの持たない暮らし

それでもダッカの彼女の

「娘には私のように働いて欲しくない。よい学校を出て公務員になるか、いい人と結婚していい暮らしをさせたい」

というどこかで聞いたような言葉には、なんとも言えない切なさが込み上げてくるのです。

ああ、幸せってなんだっけ。






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Comment

  1. 加藤直子 より:

    こんにちは。最近こちらのサイトを知り、以来毎日拝見してます。crispyという言葉、私も前から好きで、(she is crispyと言われたいものです)記事もとっても共感することが多く、メッセージを送りたくなりました。当方父、夫、猫3匹暮らしと身軽な生活とは程遠いですが、物をなるべく少なく、心身共にシンプルライフを心がけています。
    とりとめなくてすみません。更新、楽しみにしてます。毎日というのはかなりポイント高いと思います!

    • crispy-life より:

      加藤直子さん

      コメントありがとうございます。

      いつもお読みいただいているとのこと、嬉しく思います。
      毎日更新に強いこだわりを持っているわけでもないのですが、もうなんとなく日々つらつらと書くのが日課になってしまいました。
      ブログを始める時に好きな言葉である「crispy」をタイトルに含めるのはあっさり決まったのですが、自身を「crispy-life」と適当に名乗ってしまったのはまずかったな、と。今となってはもっとちゃんと考えて人名らしい「ハンドルネーム」をつければよかったと考えなくもありません。今更ですが。

      今後ともどうぞ宜しくお願いいたします!

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