ビジネス仕様のジャケット、着こなしをあらためて考える。
近頃わりとジャケットが好きです。
真っ当な社会人として生きてこなかった私はきちんとしたビジネススタイルとはてんで縁がないのですが、それでも「オフィスカジュアル」用にプレーンなタイプのジャケットを所有しています。
以前このジャケットは
「ちょっとだけきちんとした格好をしないといけない仕事の時」
しか登場させなかったのですが、最近は結構普段使いするようになりました。
紺ブレからはじまったジャケットの歴史
以前はジャケットを着るとそれなりにあらたまった感じになる気がしていましたが、近頃はさすがにそうでもなく。かなりラフに羽織れるようになったのは年の功でしょうか。ジャケットが醸し出す生真面目さを年齢を経て蓄積した個性が凌駕したのか。それならば、嬉しいのだけれど。ってちょっと大げさか。
思い起こせば私の一番古いジャケットの記憶は「紺ブレ」。
25年前くらいですかね、オーバーサイズで金ボタンの紺ブレにロングのワンレングスもしくは細かいウエーブヘア、赤い口紅に太い眉、が主流だったのは。
当時はまだ若く、ファッションに自分の個性を投影させる術を知らずに流行に乗っかっていたので、私もまんまそんな格好をしていたっけ。懐かしい。中学生でボディコンスーツとか着てたなあ。
さすがにその時代の着こなしを大人になっても引きずることはしませんでしたが、オフィススタイルに馴染みがないからこそ
「ジャケット=ビジネス」
の思い込みは強かったようで、合わせるのはいつも黒のパンツにプレーンなパンプス、なんていう面白味のないコーディネイトに終始していました。勿体無い。
40代ジャケットの着こなし
さて、最近気に入っているのはプレーンなジャケット+シャツにデニム、スニーカーという結構ラフなスタイル。シャツはデニムに半分インだったりインじゃなかったりなんだか微妙なところに収まっています。
と、文字にするとこれまたごく普通のスタイルなんですが、これをどう自分に似合わせるかがお楽しみなわけで。この頃はシャツのボタンの開け具合と袖と裾の折り曲げ具合を細かく調整しつつ、髪を寝癖っぽく巻くのが気に入っています。
ジャケットにシャツを合わせるとやっぱりきちんとした感じが出るので、やり過ぎない程度の着崩し・こなれポイントはどこか、を考えるのがなかなか楽しい。ホント、ちょっとしたことで印象って変わるものです。
そういえば、カットソーの裾の長さとかウエストのシェイプ具合が常に抜群のバランスの友人がいて。なんでそんなに毎回ぴったりの服見つけられるの?と聞いたら、だって全部自分に合うように直してるんだもの、という答えが返ってきたことをふと思い出しました。
そうなんだよねえ、同じ服でもほんの少しバランスを整えるだけでグッと似合ったり垢抜けて見えたりするから侮れない。
登場機会のさほどなかったこのジャケットも実は結構力持ってたんだよなあ、と最近になって改めて認識した次第。細かい微調整や使うための研究をしてこなかっただけで、もともと服に力はあったんだ。フルに活かせなかったのは私の怠慢。と、まだまだ手持ちアイテム活用キャンペーン実施中であります。
ファッションの曲がり角のお年頃を経験して、目指すところはやっぱり自分に似合う服。大人なんだから上質な定番モノを、だけじゃなく、ふんだんにトレンドを取り入れてシーズンごとに入れ替える、でもなく、好きなスタイルをとことん追求していくのが自分には一番合っているのだな。
と、ようやく方向性が落ち着きそうな気配です。きっとまだ迷うだろうけども。
自分に似合うスタイルを見つけられれば、流行にも情報にも「常識」という思い込みにも踊らされずにすむのが魅力。そして次々目移りせずにお気に入りの洋服と深く関わって、そのアイテムを最大限に活かす癖をつければ、少ないアイテムでもファッションを楽しむことができるのでは、と睨んでいますがさて。
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