笑い転げながらワインを学ぶ。「黄金の丘で君と転げまわりたいのだ」

公開日: : 最終更新日:2018/08/07 読書, 食べること

redwine

いやー、笑った。

笑いました。

先日読み始めたワイン本、黄金の丘で君と転げまわりたいのだ

途中他の本を読む必要性に駆られて読み進むのが遅くなってしまったのだけど、久々に本読んで声出して笑ったわ。

ワインなんて旨けりゃいいじゃん、という人に

私はまわりにワイン好きが多いからか、結構いいワインをいただく機会が多いのですが、いかんせん知識がないもので「わー、美味しい」で終わってしまうタイプ。

この本は私のように酒ならなんでも大好き、ワインの名前なんて全然覚えられないや、という三浦しをん氏をはじめとする「ワイン丁稚」たちの成長記録。

ワイン研究科の岡元麻理恵氏による「情報を捨てよ、楽しく語り合いながらワインを飲もう」をテーマにしたワイン講座を受ける模様を綴ったものです。年2~3回のスローペースながら足掛け5年に渡って繰り広げられた講座の様子がすこぶる楽しく描かれています。

三浦しをん氏の洞察力と筆力によるところが大きいのだろうけれど、ワイン丁稚たちのキャラ立ちもよい。

チリワインのモンテス・アルファを「おしゃれなターザン」と擬人化して表現したり、器による味の違いを試すために湯のみに入れたシャス・スプリーンを「子どもの頃飴代わりに舐めていた石の味がする」などというとんでもない例えをしてみたりと、なかなか飽きさせません。

章ごとにはさまれているコラムもかなり噛み砕いて書かれており、退屈さは皆無。おっと、本書に出てきたロアルド・ダールあなたに似た人を後日読まなくては、メモメモ。

あとがきで岡元氏も書いておられますが、ワインって少し興味が出てきて産地や葡萄の品種を憶えたいな、と思っても、まずは言葉から馴染みがなさすぎて挫折しがち。ワインの入門書とよばれるものでも、憶えなければならない要素が多すぎて退屈してしまう人が多いのだそうです。ええ、私もそうですが。

レストランでスマートにオーダーするためとか、美食家の集まり(ってなんだ)で恥をかかないように、なんていう外向きの目的じゃなくて、純粋に自分好みの1本に出会う道具としてのちょっとしたワイン知識を得るため、そして、ワインをもっと普及させるためには、こういう本が役にたつんじゃないかなあ。

だって、読んでいるとすごくワインが飲みたくなるもの。

そして最終章のレストランでの食事はワイン丁稚たちの卒業式に相応しい華やかさ。こういうの読むと久しぶりにかっちりしたフレンチレストランに行きたくなりますね。この本にちなんで、コート・ドールなんてどうでしょう。

ワイン通にはあまりにも初歩的過ぎて面白みに欠けるかもしれませんが、お酒が好きでワインも好きだからもう少し詳しくなってより楽しめるようになりたいな、というお気楽ビギナーにはおススメの1冊です。

 




関連記事

蒸し鶏 献立

蒸し鶏の葱ザーサイのせ、焼き白菜。

早朝に英会話レッスンの予約を入れていた今朝。 なんとなく、目覚めた時にお勤めしていた頃の気

記事を読む

一人晩酌 おつまみ

晩酌おつまみ 肉団子ときのこの煮込み、プチトマトのナムル。

ようやく復活、といったところでしょうか。 密かなお楽しみの一人晩酌、先週は腰痛のおかげ

記事を読む

牛肉の赤ワイン煮込み

牛肉の赤ワイン煮、蕪のトリュフ風味温サラダでワイン。

久しぶりじゃないか、おい。 以前は週末にワインを飲みたくなる病を患っていたもので金曜、

記事を読む

さつまいもとチキンの豆乳グラタン

さつまいとチキンの豆乳グラタン、柿とくるみのサラダ献立。

さつまいもの時期、一度はグラタンを焼く。先日の柿の白和えに引き続き、これまた季節のお約束

記事を読む

台湾一人旅でもローカルフードを楽しみたい!台湾一周旅行の食事 その1。

台湾一周一人旅の食事で印象に残ったものを地域ごとにまとめます。 一人では利用出来る店が

記事を読む

海鮮塩炒め

海鮮塩炒め、焼きなすと春雨のサラダで紹興酒。

先日のロールイカの残りに海老を加えて海鮮炒めにしようと思い立ち組み合わせる青みを考える。

記事を読む

鶏もも肉とキャベツのしょうが蒸し献立

キャベツと鶏のしょうが蒸し、菜の花の辛子和え献立。

長旅を終えて自宅に戻りました。 家飯好きではあってもしばらく自炊をしないでいると途端に

記事を読む

豚肉と大根の甘辛炒め煮、絹さや卵とじで晩酌。

和食といえば醤油と砂糖を使った甘辛いおかず、じゃないですか。 煮魚とか肉じゃがとか筑前

記事を読む

ゴーヤと油揚げのにんにく炒め、きのこと卵の黒酢スープで晩酌

ゴーヤと油揚げのにんにく炒め、きのこと卵の黒酢スープ献立。

ゴーヤと油揚げを炒め合わせる。 残り物同士をくっつけたつまみとしては、上出来じゃないで

記事を読む

キャベツ入り卵焼き献立

キャベツ入り卵焼き、なすとねぎのサラダ献立。

関西人らしくお好み焼きが好きなのですが、家では作りません。 春日野道 お好み焼き「えみ

記事を読む

Comment

  1. マリコ より:

    crispy-lifeさん、こんにちは。
    毎回楽しみに拝見させて頂いてます。
    さて、今回の「ロアルド・ダール」、実は小説は残念ながら読んだことがないのですが、つい2日前に読んだ大好きだった作家の森瑤子さんの小説の中に出てきた名前だったので「おおっ!」と思わずシンクロを感じてしまいました☆
    その中で描かれていたのは「南から来た男」。ライターに10回連続で火を付けられたらキャデラックを、負けたら指を、というような内容です。森さんの小説はそれを題材に描いていますが、秋の夜長、ワイン片手にロアルド・ダールを読みたくなりました。
    それと以前の記事ですが、湯シャン、私も6カ月弱続けています。それと同時にノースキンケア。文字通り何にもつけていません。40代ですっぴんってのもどうかと思いましたが、かなり快適。もちろんたまにはくじけそうな程茶色い肌になりますが(恐らくターンオーバーかと)。湯シャンも本当に正しいのか?と思ってしまいますが、お湯だけのお手軽さと、合成物を取り除いた芯からの健康美を考えたら、どっちも止められません。おかげで時間もお金も浮く上に、洗面がすっからかんになって見事な断捨離。年単位で続けて絶世の美女になったらご報告します。

    • crispy-life より:

      マリコさん

      いつもありがとうございます。

      おおー、またまたシンクロですね。
      ロアルド・ダールは「チャーリーとチョコレート工場」が有名なので、子供向けなのかと思ったら、結構渋い短編が多いようで。このワイン本に登場するのは「味」という短編なのですが、ワインの味から謎を解き明かすといった話のようです。併せて「南から来た男」も読んでみたくなりました。

      >年単位で続けて絶世の美女になったらご報告します。

      おお、是非とも報告して下さい!信じるものは救われると言いますから、シンプルケアで私も絶世の美女になることでしょう(願望)。

      いろいろ有益な情報、ありがとうございます。

マリコ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。

腰痛改善に向けて始めたこと2つ。

今年こそは腰痛改善に取り組むぞ!と宣言して早1ヶ月が経過。や

ご近所感覚の酒場を求めて。韓国ソウル一人旅で食べたもの・その2

韓国・ソウル食記録の続きです。1人で飲むなら、定食で。韓国・

やりたいことリスト’24「ちゃかし倒してゲームする」

毎年恒例の儀式・その2「やりたいことリスト」のお時間がやって

2023年、買ってよかったものベスト3。

1年間の買い物を振り返る恒例行事、今年もいってみましょう。

あの世にものは、持っていけないから。

銀座で酒を飲みながら、友人の現役引退後、つまり、定年退職後の

→もっと見る

PAGE TOP ↑